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「家守り」という考え方 №1

 長期優良住宅普及促進法が昨年12月に公布され、今年6月末までに施行される。超長期住宅先導的モデル事業も動き出し、ストック型住宅への流れが加速している。スクラップ&ビルドの風潮が一掃されるのは慶賀の極みであるが、「木の家」に限っていえば基本的にはフローの建築であるから、三代百年はОKだが、七代二百年は?となる。伐採された木が育っただけの時間を生き建てかえられる家は連続性をもっており、その面を評して「フロー」というのである。鉱物資源は無尽蔵に掘り出すことはできないが、「山」が健全に保持されれば木はくり返し再生され循環されるのである。
 一つの家を構成する部材の中には、長い寿命のもの(ストック)もあれば、数年で交換の必要な部材(フロー)もある。町の中にもインフラとしてのストックと、仮設のようなフローがあり、それらは入れ子状に構成されていて、相互に補完し合っている。
 価値をお金に換算するのが経済の基本であるが、これも単純ではない。ものの価値には、資産価値(ストック)と使用価値(フロー)があり、使用価値の高い家は住居者には住み易くても、他人には住みにくく資産価値は低いとされる。しかし、使い込み、磨きこみ、使い回された家や道具には愛着があり、その家族の記憶をかたちづくっている。この使用価値を他人にどうのこうのと言われたくない。ストックなのかフローなのか、簡単に値段を付けられないのは、そこに歴史と文化の厚みがあるのであって、そういうフローを包み込んだストックでなければ、真のストックとはいえないだろう。   
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 1995年の阪神淡路大震災後に改正された建築基準法施行以前に建てられている住宅は、全体の94%を占めている。さらに遡って1981(昭和56)年の基準法改正では耐震基準が大きく見直されたが、それ以前の住宅は、高度成長期の大量生産の時期と重なって、耐久性の劣る住宅が多い。さらに言えば、その前年の旧省エネルギー基準を満たす住宅はごくわずかである。この量的に圧倒的な不適格な既存住宅-あえていえば「不良ストック」をどうするのか?「不良ストック」とはいえ、住人にとっては「住めば都」であり、そこで暮らしは営まれている。北京オリンピックのように、それを一方的に破壊することは許されまい。
住生活基本法・長期有料住宅法は、ストック重視への転換を促すものであるが、既存住宅の改造もテーマになっている。現に今ある不適合住宅の改善はいつ襲われるか分らない地震を想定すると、早急に対策が講じられなければならない。これを打開するには、ます既存住宅を性格に把握し、診断を下すことである。そして、手術に相当する改修工事の計画を立てることである。
「新築○○さん」はいいけれど、お肌は身体内部の影響を受けるものなので、お化粧-表皮だけで済ますのは考えものである。改修の対象となるのは、①耐震補強②断熱強化による恩熱環境の改善③バリアフリー化の三つと考えた。これらについて、調査・診断・改修設計・工事の流れを確立することが求められるのであるが、難儀なのは既存住宅は「開けなければ分らない」ことである。
                                                 つづく

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「200年住宅」を笑う

 住宅の品質や性能を向上させるために2006年8月に施行された「住生活基本法」を受ける形で「200年住宅ビジョン」が2007年5月当事自民党政務調査会住宅土地調査会長であった福田氏より提言された。そのコンセプトは「日本の家の平均30年と短い。諸外国と比較して半分以下の寿命である。(ちなみにイギリスは141年、アメリカは103年、フランス80年、ドイツ79年:ストック戸数をフロー戸数で除した年(値))そのため国民は住宅建築費の負担が重すぎ、収入の割に良好な生活をしていない。またスクラップアンドビルドを繰り返すことで、建設廃材の問題も発生する。寿命の長い住宅を作るべきだ」という文言になっており、ケチのつけようがない。上記の「200年住宅ビジョン」の構成委員は建築行政の人やハウスメーカーの重役ばかりで、当然ハウスメーカーサイドに有利なものとなっている。ハウスメーカーは型式認定を受けていることが多く、そこが地域工務店と比べて「200年住宅ビジョン」を実行するにはやりやすいところがある。
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 200年住宅が満たすべきポイントとして①構造躯体の耐久性があること②内装・設備の維持管理が容易のできること③変化に対応できる空間が確保されていること④長期利用に対応すべき住宅ストックの性能があること⑤住環境へ配慮されていること⑥計画的な維持管理や保全の履歴を蓄積すること。というものが挙げられている。
 平成12年度に住宅品質確保促進法に基づく性能表示制度を作ったが戸建住宅に採用されることが少なく、リターンマッチよろしく今回も俎上にあげて勝負しようというものらしい?200年もった建築物というのは伝統木造建築物しかなく、これに生かされている先人の知恵というようなものに言及がなく、現場の発想というものがない。
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 30年前ミサワホームが100年住宅というものを提案し、国がそれをそのまま丸呑みして「『センチュリーシステムハウジング』CHSと略記」と命名した。これも100年もつ住宅ということではなく、100年もつための要素を提案するシステムであった。200年住宅も耐久性が200年ということではなく、200年もつための要素をもっている家であるとのこと。まさに福田首相の発言そのもので「200年住宅の根拠はありません。100年の倍ということでメッセージ性があるということでしょう」とギマンに満ちている。200年住宅のガイドラインは財)ベターリビングが認定しているCHS住宅と全く同じ内容である。財)ベターリビングが200年住宅の認定機関となり、天下り官僚がそこに居座るという構図が見透かされ国や国民のことを考えていない官僚が省益のため「200年住宅ビジョン」を提示したとも裏読みできる。
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 日本の森林資源を考慮に入れて時、地域材が柱材として再生産できるだけの期間は60年~80年だといわれている。この数字を根拠にすればまず100年住宅(三世代対応)から始めるべきで、その中間総括をもって200年住宅に適応していけばよい。
 200年住宅の先導的モデルとなるべく「超長期住宅モデル事業」がスタートしている。130億円の補助金を使おうということだが、この取組も5ヶ年の期限つきである。本気でエコロジーの事を考えて循環型社会ないしストック社会を形成してゆこうというのであれば、もっと息の長い取組が必要である。個人の幸福や基本的生活のありようにもっと政府・官僚は責任を持つべきであり,私たちニッポン人はひとりひとりが声をあげてゆかねばならないのである。

子供部屋 №2

 個室というのは当然プライバシーを重んじなければいけないけれど、どこからも妨げられない部屋というのは非常に問題があります。特に子供部屋というのは「ただいま」と外から帰ってきたら、必ず、少なくとも、お母さんか誰かがいる居間なり食堂から見えるところを通って子供部屋へ上がっていく、入っていくということが必要です。食事があるわけだから、そう心配することはないのかも知れませんが、あまり便利につくりすぎて、いつ帰ってきたのかわからないというのは、決していいことではありません。それから、鍵の問題があります。ちゃんと見識のあるお父さんお母さんの場合「子供部屋の鍵は要りません」と明確におしゃいます。大人の場合には多少プライバシーの問題がありますが、子供の場合は中に閉じこもって何をしているかということは、少なくとも親の権利あるいは義務として当然知らなければいけないと思います。今は割りと子供に遠慮なさるお父さんとお母さんが多くて、せっかく子供部屋をつくるのだから子供に人格を認めて、鍵の完備した部屋にするというふうに考えがちですが、これはたとえ内側からサムタンを掛けられても、親の権利としていざという時には、監督、点検するために外から開けられる鍵を持つべきです。
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 前回述べたように子供にはいろいろな段階があります。だから子供部屋自体のことをあまり思わなくても、その成長に合わせてどういう場所を利用していくかという覚悟さえあれば、子供というのは大変適応力があるので、むしろ与えられた環境を子供がどんなふうにこなしていくかという点から親も真剣に見るべきだと思います。むしろ、親もそうですが、私たちは子供たちがどんなふうに環境を自分でつくっていくかという機会を考えてあげるべきだと思います。
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 最近は親が子供に遠慮しながら、何とかおしりを叩いて、一流大学、一流会社へ行って欲しいという思考があり、子供部屋=勉強部屋という親の願望のシンボルみたいなものかもしれません。これは子供にとって大迷惑なことで、それよりも,今時の大人より子供の方がずっと環境に対して反応が敏感で適応力も十分にあると考えています。そういう子供の適応力や生活能力を弱める方向になっていないかよく考える必要があると思います。
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 Y邸では5人の子供たちのスペースとして、1個の個室と広いフリースペースをつくりました。学校へ通っている子供たちからは狭くてもいいから個室が欲しいという意見もあったのですが、子供たちのスペースは固定的に考えず、子供たちの成長に合わせて、ロールカーテンや家具などで穏やかに区切って使うことになりました。1個の個室も使い手を限定せず、その時期に受験などで個室の必要な子供が使うというような使い方になると思います。現在マンション住まいの子供たちが一番楽しみにしていて、盛り上がっているのは「階段」だそうで、そんな話を奥様からお聞きして、楽しい気分になってしまいました。

子供部屋 №1

 子供部屋というのは両親の教育方針やお子さんの年齢や性別によってその考え方は大きく違ってきます。
今、計画中のYさん家は中学2年生の長男を頭に、長女、次女、三女、0歳時の次男の5人のお子さんがおられ、限られたスペースの中で、子供部屋をどのように考えるかが、プランを考える上で大きなウエイトを占めています。という事もあり、今回のほらドンでは子供が小さい時から大きくなるまでの変化に従って、どのように住宅の中で子供のスペースを考えていけばよいのか述べていきます。
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(1)赤ちゃんの時期から幼稚園へ行く前後まで
大部分のご家庭では、赤ちゃんから幼稚園にいく前ぐらいまでは、お父さんお母さんと一緒に寝ているのが普通だと思います。これは当然のことですし、私はそれでいいだろうと思います。人間の才能とか性格とかが決定的になるこの時期に、親の目の届く範囲でスキンシップの中で育てるというのが非常に大事で、そんな時期から子供部屋を与えて隔離するというのはどんな子供になるのか心配だ。少なくとも私はそう思います。だからそれよりも、ダブルベッドまたはシングルベッドふたつの横に子供のベッドを置けるスペースをとるというふうに寝室の問題として捉えておいた方が良いと思います。
(2)幼稚園から小学校前半まで
この時期には躾という問題で子供を一人で寝かせるということも必要だという考えもありますが、私はまだそんなに慌てて個室をつくるというところまでいかなくてもいいのではないかと思っています。ただ小学校に通うわけですから、遊びの他に勉強という要素が入ってくるので、机を置くコーナーは必要になります。ただそれは昼間の生活で、その頃の子供は夜勉強するわけではないので、リビングルームの一角に机を置いてあげてもいい。また、リビングルームに大きなテーブルをひとつ置いて、それを何にでも使える多目的なかたちにします。そういうテーブルの中で、あなたの場所はここですよと決めてやり、場合によっては小学校入学時にその子供専用の椅子を買って、場所を与えるということでもいいと思います。
(3)小学校後半まで
小学校の前半からそろそろ後半にかかる頃、この位からいわゆる子供部屋について考えていいと思います。まだ個室の必要はないと思います。私は、出来れば兄弟共用の部屋を積極的にすすめたいと思います。子供に部屋を与えるメリットとしては責任感を持たせる、自分の部屋は自分で管理する、掃除を含む整理整頓をしていつも自分の部屋に気を配るという訓練になる。しかし、いきなり個室にするのではなく、兄弟で共同で使うことによって、相手に迷惑をかけないとか、ある程度相手と協力してやるとか、そういう社会的なルールを身に付ける訓練をさせるのです。たとえば男兄弟ならば中学校に上がる位までは共同部屋でいいと思います。一般的に子供部屋は4畳半もしくは6畳くらいですが、何も頑張って一人一部屋ということではなく、それよりは2部屋分を1部屋として広いスペースとして使うことに意義があります。そんなことをしながら、子供たちがだんだん大きくなっていくのを待つということが良いだろうと思います。
(4)中学校に入る頃から成人まで
小学校の後半から中学校に入る頃になったら、少なくとも男の子と女の子は分けていくべきだと一般的に言われています。そのへんからいわゆる個室としての子供部屋が問題になるわけです。それ以降は高校へ入り、やがて大学に入る。場合によっては就職して社会生活を送る、結婚までの間過ごすということになります。しかし、現実問題としてほとんどの場合、大学へ入るとかなりの人が自分の家を離れてちがう都市へ住まなければならない。そして就職すれば引き続き、親元を離れて生活を送るということになる。そういう意味では事実上、成人、大人のいわゆる純粋な意味での個室というようなものをつくる要素というのはかなり減りつつある、ということも家いるかもしれません。いずれにしても、このような順序で子供部屋というものは変化していきます。                       
                                              次回につづく

昔の掃除・今の掃除 №2

 窓を開ける季節になって、愚妻が床の雑巾(布雑巾を挟んで使うモップタイプ)がけを頻繁にするようになり、電気掃除機を使う様子がない。日頃から環境をテーマに仕事をしている私たちであるから、省エネのために電気掃除機を使っていないだろうかと好意に解釈し、そのことを訊ねたところ、「本当は掃除機をかけてから拭き掃除でしょ、面倒くさいから、拭き掃除だけしている」と明るく答えられてしまった。省エネしているのは彼女自身だったのである。
              *          *          *
 毎日きちんと掃除していれば、年末の大掃除は必要ないはずである。しかし、年末になると掃除をしなければという思いにかられる。街では洗剤、ゴム手袋などの掃除用具が店頭をにぎわせる。すすを払い、改まった気持ちで新年を迎えるすがすがしさを大事にしたい気持ちは、われわれの中に色濃く残っているようである。しかし、年末だけ、がむしゃらに1年の垢を落とすのではなく、日常の手入れが快適に住む上での基本になる。
住まいの汚れには、仕上げ材料に薄く積もっているホコリやチリ、玄関土間の泥汚れ、台所の油汚れ、ドアの把手やスイッチ周辺の手垢、その他にカビ、しみ、さびなどがある。人が生活すれば、汚れは発生する。気持ちよく生活するには、こうした汚れをためこまずに早めに取り除くことが大切であり、手入れをすれば愛着もわく。このことが大切なのである。
住まい自体で解決すべき問題も多い。汚れやすい場所は手入れのしやすい仕上げ材にするとか、汚れの目立たない色にすることである。また、密閉度の高い住宅は結露しやすく、ダニやカビも発生しやすい。閉鎖的な間取りを避け、風の通りやすい開放的な間取りにし、室内を乾燥させると良い。
<掃除のチェックポイント>
 ・北側の部屋→風通しをよくする カビが発生しないよう家具は壁から離して置く
 ・洗面→パイプのつまりの点検     ・押入れ→天気の良い日は開けて風を通す
 ・浴室→風呂釜の点検 排水口の清掃 入浴後は窓を開ける
 ・トイレ→便器の掃除 水漏れ点検
 ・キッチン→流し台の下は物を出して拭き乾燥させる 排水口の掃除 換気扇の掃除
 ・外部→ガラス磨き 雨戸・戸袋の掃除
         *          *          *
昔の古い家には、古くなっても手入れの行き届いた、磨きあげた美しさがあった。一生住んでいく家に対して、住み手とつくり手による愛着と思い入れが深かったからである。
住宅が地元の大工によって建てられていた時代には、出入りの大工がときどき庭先に寄ってくれたり、台風がくればすぐに飛んで来て見回ってくれて、樋や屋根、壁、建具などの傷み具合を点検し、必要に応じて手直ししてくれた。仕事以外にも、葬式があれば家の外回りをしつらえる手伝いにやってくるなど、住み手とつくり手との地縁的な人間関係が信頼の上に成り立ち、住まいも維持管理されていた。
しかし、そうした関係が希薄化し、手遅れ寸前まで家の維持管理がなされず、住宅を消耗品と考える風潮が長らく続いた。しかし、低成長時代を迎え、手入れして住み続けようとする意識が高まってきている。
家は完成した瞬間から、雨水、太陽光線、空気中のほこりと汚染物質、温度変化、白蟻、ねずみなどの小動物による害などによって、汚れて傷み始める。定期的な掃除、点検を行い、早めに適切な修繕を行なっていくことが長持ちさせる上で大切なことである。
 <住まいの点検>
 ・瓦のずれ、割れ、脱落    ・ペンキの剥がれ    ・軒天井の浮き、たれ
 ・雨樋のはずれ    ・外壁のヒビ、割れ、浮き    ・配水管のつまり、枡の不良
 ・床下・土台の白蟻腐蝕    ・床下換気口ふさぎ    ・建具のたてつけ 
 ・ガラスの割れ    ・手すりのサビ    ・ぬれ縁の腐蝕 
プロフィール

としとんどん

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