FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

環境主義住宅を解く 第3回

 環境主義で住宅を考える場合、いまもっとも優先的に考えるべきは「エネルギー問題」だと前回述べた。そしてエネルギー問題の解決には「新しいエネルギー供給技術の開発」「自然エネルギー(持続型エネルギー)への転換」「省エネ」の3つの基本的な方向があるとも述べた。ただ、このうち「新しいエネルギー供給技術の開発」は私たち家づくりに関わるもの(つくり手、住まい手)が手を下せるわけではない。従って、私たちは「自然エネルギーをどう生かすか」「省エネをどう実現していくか」ということを考えていかねばならないことになる。
 またこれらの内容においても、「技術」という言葉で表現されるもの、そして「工夫」という言葉で表現されるものに分かれる。たとえば、太陽エネルギーの利用について考えてみても、太陽光発電パネルは「技術」、ダイレクトゲインは「工夫」と呼ぶのがふさわしいだろう。省エネについても、エコキュートあたりは「技術」、小まめな節電は「工夫」というふうに分類できる。断熱や気密などは「技術」と「工夫」の中間に位置するものだろうか。
 世の中には“技術派”と“工夫派”が存在する。技術派の人たちは「工夫をせよ、と訴えるだけでは問題は解決しない」と考える。また工夫派の人たちは技術の限界を言い、また技術では本質的な解決にならないと考える。こうした考え方の違いはエネルギー問題だけではなく、あらゆる場面にある。しかし私にしてみれば、そうした論争は「本質的な目標」を見失った狭い考え方に映る。エネルギー問題解決の目標は、「エネルギー多消費社会からの脱却。地下資源によるエネルギー供給体制からの脱却」にあるわけだから、そのルートにこだわらず、あらゆる可能性と選択肢を考えていくべきであるはずだ。
いまは京都議定書の第1目標である「温暖化ガス排出量を1990年の6%減にする」ということを実現させるために世の中が動き始めており、この段階でも相当な困難が予想されるが、この目標はあくまで第1目標であり、その先にはさらなる排出量削減が必要となる(2050年頃までには33%もの削減が必要とされる)。つまり、あくまで「6%減」という目標は“さらなる削減のひとつの過程”に過ぎないということだ。小手先の方法でもし6%減が達成できたとしても、その先には続かなくなる。

もしみなさんが本気で環境にやさしい家づくりをしたいと考えているのであれば、こうしたことを踏まえ、ぜひ「21世紀型エネルギー消費の暮らし」を考えて家づくりを行ってほしい。もちろん国産材の問題を含めた材料資源のことやシックハウス問題のことも考えなければならないが、いま家づくりにおける最大の課題がこのエネルギー問題にあることを認識し、家づくりにおけるテーマの中心にすえてほしい。
 ここでまずやらねばならないのは「現状のエネルギー消費量の把握」。いまどんな暮らし方をして、どれくらいのエネルギー消費量になっているのかを把握する。次にやるべきは「我が家のエネルギー消費量目標値」を設定すること。設定の仕方は「現状の○%減」でもよいし、「わが国の平均消費量の○%減」でもよい。とにかくこうした目標値を設定することが大切だ。いまの暮らしの消費量とその目標値を並べてみたとき、どこで減らすのがもっとも自分たちに合っているのかを考えるはず。「どうしても減らせないもの(減らしたくないもの)」と「やればできるかもしれないこと」が見えてくるだろう。
 ここで「やればできるかもしれないこと」の中に「冷暖房」や「給湯」に関わるものが出てきたとすれば、そしてそれが“我慢”や“暮らしの細々とした工夫”による削減策ではまかないきれないことが予想されたとすれば、それは「家づくり」に組み込んでいくべきものだということになる。そこでの選択肢には様々なものがあるだろうが、まずこういうステップを踏んでこそ、本当の“環境にやさしい家づくり”が始まることになる。エネルギー消費の削減策に対するアドバイスをするのはつくり手や設備メーカーだが、ここまでの作業は住まい手の役割だ。こんな作業を行う住まい手がわが国の10%にでも達すれば、世の中は変わるだろう。
 
スポンサーサイト
プロフィール

としとんどん

Author:としとんどん
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。