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環境主義住宅を解く 第7回

 高断熱・高気密派のつくり手や評論家は「なぜ我慢する?」「我慢は悪だ」というようなことを言う。断熱、気密をしっかりやって暖冷房のエネルギーロスを少なくし、家の中の温度差を少なくすれば我慢せずに快適で健康的な住まいが実現できるのに、なぜそうしないんだ?と言う。うまくやれば省エネにもなると言う。彼らの意見は確かに正論だ。まだまだ日本人には高断熱・高気密住宅を“食わず嫌い”している人がたくさんいる。いや、住まい手だけではなく、つくり手にも“食わず嫌い”の人がたくさんいる。
 でも私はこの“食わず嫌い”をある部分評価している。素直に「快適」に向かおうとしないというわが国の文化というか精神性は大事にすべきもんじゃないかと思う。ほかの分野でこうした精神性を感じるところが少なくなってきたし…。
 ただし、条件がある。それは「我慢」が確かに「省エネ」に結びついていることをきちんと確認するということ。「我慢する」という個人的な行動や価値観が「省エネ」という社会的な要求に合致しているかどうかをちゃんと確認してほしいわけだ。我慢するのもしないのも個人の自由だろう。でも、これからの時代は個人の自由が「環境負荷をできるだけ与えない」という範囲で実現させていくという“新しい自由の規範”が求められる。

 私がここ数年提示してきたのは「我慢して省エネをするもよし」「我慢しないで省エネをするもよし」、このどちらも選択肢があるよ、ということだ。高断熱・高気密派に向かっては「我慢もひとつの選択肢じゃないか」と言ってきたし、自然素材派や伝統派に向かっては「高断熱・高気密という選択肢もあるから食わず嫌いしないでおこう」と呼びかけてきた。そしてこの考え方の基本になるのが言うまでもなく「省エネ」であり、こうした考え方がつまり「環境主義」であるわけだ。住まいの環境を議論するに当たって「快適主義」を取るならまた別の話になるし、「健康主義」であっても別の話になる。そして私はこれからの時代は「快適主義」よりも「健康主義」よりも「環境主義」であるべきだと思うわけなのだ。

 ここで順番というのが大事になってくる。「環境主義」というのは「快適」や「健康」を無視せよという考え方ではない。環境のことを基本に考えながら、快適や健康の実現を目指そうということだ。そのときには様々な智恵や工夫が必要になるから、それをみんなで考えていきましょう、ということが、私が首尾一貫して主張していることである。そしてこの連載も、そういう考え方に賛同し、共感してくれる住まい手を1人でも増やしたいと思って書いている。「環境主義」のつくり手を育てるのは「環境主義」の住まい手しかいない。

 さて、暖房の続きだが、まずは高断熱・高気密住宅の短所から述べていこう。
 これにはいまのところ「夏場のオーバーヒート」「冬場の過乾燥」があると言われている。
「夏場のオーバーヒート」とは、昼間に熱が家の中に溜まってしまうと、夕方以降に室
温が下がりにくくなる現象のこと。場合によってはその熱が次の日まで持ち越され、昼間も暑くなってしまう。高断熱化するとこうした状況が起こりやすくなるわけだ。これに対処するには日射の遮蔽がとても重要になってくる。とくに開口部(窓)の日射遮蔽が大きなポイントになる。すだれや外付けブラインドのような、外部にある日射遮蔽部材がもっとも効果的だ。
 冬場の過乾燥については、いまのところこれといったシステム的な解決策は提案されていない。加湿器のほか、お湯を沸かしたり、ワザと洗濯物を部屋に干したりして、湿度計とにらめっこしながら工夫をするしかないだろう。でも、こうした生活の仕方での対応は悪くない。何でも機械やシステムに頼ろうとするのは間違っている。
 こうした高断熱・高気密住宅の短所をうまく解決し、快適や健康を損なわないようにすれば、高断熱・高気密住宅の「省エネ性」という長所が生かされるようになる。こういう考え方が、先に述べたような“環境主義”で高断熱・高気密住宅を見ていくということだ。
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