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環境主義住宅を解く 第8回

 冬場における省エネ生活の理想的な形は、家電や暮らしで発生する熱(生活熱)や太陽エネルギーのような“そこにある熱源”だけで暖かみを得ることだと前々回に述べた。しかし実際のところ、常識的な断熱レベルでは、生活熱だけでは足らないし、太陽エネルギーというものは気まぐれなので、どうしても暖房が必要になってくる。
 ということで、環境主義的な冬の暮らしを考えるとき、省エネになることを基本に置きながら、快適で健康的な暖房の方法を考えていくことになる。

 もっとも省エネになる暖房の方法は、バイオマスを利用するものだ。バイオマスとは生物由来の資源を指し、その中心となるのが木質バイオマスだ。そして実際に木質バイオマスを使った薪ストーブや木質ペレットストーブという暖房機器が存在するから、選択肢として現実的に考えることができる。
 薪や木質ペレットは製造エネルギーも小さく、CO2排出量は「カーボンニュートラル」ということでプラスマイナスゼロとして扱ってよいということになっている。木はCO2を吸って炭素を固定するから、それを燃やしてCO2が排出されても、結局のところCO2排出量はゼロとして考えてもよいということだ。実際には製造時にエネルギーを使い、運搬も必要なことからプラスマイナスゼロにはならないが、ほかのエネルギー資源に比べると環境的には極めて有利な材料といえる。こうした資源を有効活用しない手はない。

 ただ、薪ストーブや木質ペレットストーブが環境的には有利な暖房方法であっても、それが快適性や健康性において大きな問題があれば実用的ではない。そのあたりはどうだろう?
 結論からいえば、このどちらの暖房機器も快適性や健康性にほとんど問題はない。快適性と健康性において理想的な暖房方法は床暖房だと思われるが、この次のレベルに来るほどの快適性と健康性を備えた暖房機器だといってよいだろう。
 最大の課題はコスト。とくにランニングコストにおいて一般的な暖房機器(石油ファンヒーターやエアコン)に劣る。もちろん薪を自分の手間で手に入れられる場合は別だが、そんなことができる人は限られているだろう。また木質ペレットを自作することはできない。
またマクロに見た場合、国内にある木質バイオマス(正確には、暖房に使える木質バイオマスの成長量)だけで暖房エネルギーを賄うことはまず不可能だと試算されている。

こうしたことを考えると、木質バイオマスを使っているからどんどん使ってもいいということではなく、やはり“大事に使う”ということが重要になってくる。これはどういうことかといえば、熱の無駄をできるだけ出さないようにしながら、一方ではある程度の我慢が必要だということを示している。つまり、家の断熱性を高めながら、暮らしに工夫を重ねて、ランニングコストを下げ、できる限り「木質バイオマスの成長量=消費量」に近づけるべきだということだ。
一般的な傾向としては、「木が好き、木は環境にやさしそう→あまり断熱性が高くない木の家(伝統的な木の家?)+薪ストーブや木質ペレットストーブ」という嗜好があるように感じられるが、これは環境主義的な発想とはいえないように思う。改めて考えてほしいが、木という素材はその成長量と消費量が合致してこそ“環境にやさしい材料”なのだ。消費量が上回ってしまえば、それは木の過剰伐採につながり、環境破壊になってしまう。

もちろん、国内にある人工林は、いま使われないことで放置され、環境問題や1次産業の衰退を招いているから、そういう状況を打破するために「木の家」をたくさん建て、薪ストーブや木質ペレットストーブを使っていくことはとても大事なことだ。しかし、それだけでOKではないことを知っておいてほしい。
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