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環境主義住宅を解く 第12回

 私は「学校のエコ改修」という環境省の事業に関わっている。私が関わっているのは岐阜県高山市にある小学校で全国の10のモデル校のひとつ。この取り組みはなかなかおもしろくて、学校の先生、地域の設計者、PTA、教育委員会などを集め、6回ほどの勉強会を行う。勉強会の内容は「温度や熱の基礎」といったもので、学校の中の温度や湿度を測定したりしながら、室内環境の基礎を実感し、学んでいく。なぜこんなことをするかといえば、その学校を地域のエコ学習の拠点にしようとしているから。私はその勉強会の講師をしている。
 つい先日も第2回の勉強会があり、高山市まで行ってきた。講義をしたあと、受講者に「夏場に理想的な窓、冬場に理想的な窓をそれぞれ考えよう。非現実な内容でもいいから夢のある窓を考えて」という課題を出した。受講者の多くは建築のプロだったので、どうしても現実から離れにくく、めちゃくちゃユニークな発想のものは出てこなかったけれど、でもなかなかおもしろかった。
 さて今回は窓の話。窓をどうするか(窓の設計)は省エネや快適性を考える上で重要な肝になる。窓の役割について熱く語るつくり手がもしいれば、その人はこのあたりのことについて強い関心をもっていると判断できるだろう。
 まずは窓の基本的な役割を挙げてみよう。
 外の景色を見せる、明るさとしての光を取り入れる、熱としての日射を取り入れる、風を取り入れる。こんなところだろうか。こうした役割を考えると、窓はたくさんあったほうがよさそうに思える。でも、実際にはそんなに単純な話ではない。
 なぜなら、窓はとても熱を伝えやすいからだ。窓を大きくするほど冬場には室内の熱が外に逃げていきやすくなる。また冬場には窓の温度は低くなってしまうから、そこに触れた空気の温度が下がり、室内に降りてきて不快になる(これをコールドドラフトという)。でも上には「熱としての日射を取り入れる」という役割もあったはず。こちらも窓を大きくしたほうが有利になる。つまり、「窓を大きくする」ということはプラスとマイナスの両方の話になるというわけ。
 熱としての日射を取り入れるという役割は冬場を考えてのものだけど、一方の夏場にはこれがマイナスの要素となる。夏は日射ができるだけ入り込まないようにしたい。
 窓を大きくすることで言うと、別の話も出てくる。それは窓を増やすほど耐震性が低くなるということ。
 かのように、窓の話はなかなかややこしい。いろいろ考えると頭がクラクラしてくる。でも落ち着いて考えてみると、どんな窓にすればよいのかが見えてくる。
 まず基本になるのが「断熱性のよい窓にする」ということ。これが実現できれば、かなり「窓問題」は解決されそうだ。ただし、またまたややこしい話になるのだが、断熱性のよい窓ガラスは日射を通しにくくなる。ダイレクトゲインで「そこにある熱源」としての日射をうまく利用しようとしても(第9回参照)、日射熱が室内に届かないのであればまずい。かといって、日射は通しやすいけれど断熱性の低い窓にしてしまうと、せっかく溜めた室内の熱が外に逃げやすくなってしまう。
 この問題を解決するには「日射によって得られる熱」と「逃げていく熱」が実際にどれくらいなのかを見てみないといけない。このプラスマイナスによってどんな窓にすればいいか、またどれほどの窓の大きさが適切なのかがわかるはずだ。
 まず「日射によって得られる熱」は地域によって異なる。当然、冬場に曇天が多い地域ではこれが少なくなる。また「逃げていく熱」のほうは冬場の外気温が低い地域ほど大きくなる。つまり、「冬場に晴れている日が多い+外気温がそれほど低くならない」という地域では、「日射によって得られる熱」のほうを重視し、窓の断熱性はそこそこでよいということになる。逆に「冬場に晴れている日が少ない+外気温が低い」という地域では窓の断熱性を重視したほうがよい。
 福岡あたりは「冬場はそこそこ晴れている+外気温はそれほど下がらない」という地域だから、バランス型の窓が適切だろう。具体的には「断熱アルミサッシ+ペアガラス」という感じだろうか。こうした窓を南面にたくさん設置して、日射熱を利用したい。
 次回も窓の話を続きを。
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