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環境主義住宅を解く 第16回

 木材の「持続可能性」についての続き。
 先進国では森林面積は漸増の傾向にある。一方、途上国は減少している。途上国の森林面積が減少している理由は様々だが、建材利用の影響もある。わが国においてそれに関連するのは「合板」。一時に比べると南洋系の木材を利用した合板は減りつつあるが、それでもまだ相当な量が流通しているし、ロシアなどの針葉樹を利用した合板が「木材の持続可能性」を高めるものとは決していえないだろう。
 わが国において木材の持続可能性を目指すなら、やはり「国産材の活用」が重要となる。つまり木材の自給率を増やすということだ。いま建築用材の自給率はおよそ30%ほどだと思われる。少なくともまずは50%くらいを目指さないといけない。
 ただ現実は非常に厳しい。構造的な問題があるからだ。
 国内における構造的な問題は「合理的な林業経営」が行われていないというところに集約されるだろう。1次産業からの人離れ、企業離れが進むなか、林業においてとくにそれが顕著だ。小規模な兼業林家が多数を占め、合理的な経営ができず、外材の価格競争に負けているし、それを何とかしようという熱意もない(熱意の原動力となるものが見当たらない)。合理的な発想が期待できる若者は都会に出て、林業を見放している。これではいつまでたっても価格競争に勝てるわけがない。
 外国との関わりで重要なのはWTO。世界は貿易の自由化に向かっている。わが国の林業を守るためには木材の関税を引き上げることが有効な手段のひとつなのだが、これは世界の動きに逆行してしまう。強引に進めると自動車が売れなくなってしまうだろう。

 こうした状況を乗り越えられる方策はあるのだろうか?
 おそらく唯一の解は「儲かる林業」の実現だろう(実際には「儲かる」というより「適切な利益を得る」ということだが)。「儲かる林業」のモデルが全国のあちこちで生まれてくれば、人も企業もそれを見逃さない。そしてそれには、川上(山)から川下(町)までの全体がつながり、統合されるような動き、しかもあらゆる場面において合理性をもった動きが必要だ。家のつくり手は「マーケット(つまり住宅取得者の気持ち)」を十分に分析し、「その木」を使うことによるメリットを熱意をもって伝え、市場に受け入れられる家づくりを進めていかねばならない。また、山側(林業家と製材業者)は「商品」の品質確保に努め、安定的な供給態勢の確保に努めなければならない。そうした意志を持った(持とうとする)人たちが連携し、「木が流れていき、儲かる構造」をつくりあげるしかないのだ。

 住宅取得者(みなさん)はこうした動きに敏感であってほしい。もちろん木材の自給率を上げるために家を建てるわけではないから、自分たちが望むものはしっかり実現すべきだが、少なくとも「国産材の家」が本質的に性能が低いことは決してないし、こうした熱意のある動きをしている人たちは、きっと価値の高い家を提供してくれるはずだ。
 次回は国産材(「見える木材」)を使って家を建てることの具体的なメリットについて整理してみたい。
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