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環境主義住宅を解く 第28回

 家づくりは「最適化」を図る作業に他ならない。このとき、最大の規定要因になるのが「予算」。つまり、限定された予算の中で「最良の解」を求めていくことになる。世の中にある商品の中で、これほど「最適化」という発想が重要なものはないと思う。なぜなら、そこに求められる要素が多いから。
 というようなことを、もう7、8年前から言ってきたのだけれど、ほとんど誰にも注目されなかった。不思議なことだなあと思っていた反面、「目立つ何か」をアピールしていかないと世の中には認めてもらえないのかもしれないと思っていた。
 ところが、最近になってこの考え方に「その通りだ」と共感してくれるつくり手が出てきた。私がどこかに書いた「家づくりはベストバランス」という言葉そのままを使って自社のアピールをする工務店さえ出てきた。
 こうした現象が生まれてきた背景には、こうした発想をする住宅取得者が増えてきたことがあるんだと思う。単純に賢くなってきたわけだ。そしてそのベストバランスを図る作業において、「環境配慮」という要素も含まれるようになってきた。

 西村さんは常々「家づくりには論理が必要」と言っている。また、私が優秀だと思っている設計者も同じことを言う。それは論理に整合性がないと最適化が図れないからだ。もちろん最適化の方向には様々なものがあり、つくり手の価値観によって左右されるし、もちろん住宅取得者が求めるものによっても変わってくる。あたり前のことだ。
 私がずっとやってきたことは、家という個人の所有物において、いかにして環境配慮という社会性を組み込む論理を構築するかということ。あらゆる商品に社会性が求められることは間違いないが、家という耐久消費財は社会に影響が大きいということもまた間違いのないことだろう。また、これからの時代の社会性を考えるときに「環境配慮」が不可欠だということも間違いない。
 少し前から積水ハウスが「環境にいい家は、環境のいい家になる」というコピーを使っている。ちょっとわかりにくいので純粋な商業コピーの評価としてはどうかと思うが、まさしくこれは「個人の価値と社会の価値を一致させよう。積水はハウスならそれができる」というメッセージだ。

 今回から「材料の話」に戻ろうと思ったのだけれど、またまた別のことを書いてしまった。ということで、材料論の総論的な話をしてみよう。
 そもそも「環境にやさしい家づくりの材料」を考えていくとき、「材料」から見る視点と「家」から見る視点がある。材料から見る視点とは、その材料そのものが持っている環境負荷を考えていくことだ。原料となっている資源の枯渇性はどうなのか、再利用できるのか、製造時のエネルギー消費量はどうなのか。こういった視点で見るということ。
 一方、家から見る視点とは、家全体としての環境負荷からその材料に求められるものを考えていくということ。具体的にもっとも重要なのは耐久性と省エネだ。これらは家の環境負荷を大きく左右する。

 環境にやさしい家を考えようとしている人たちもこの2つの視点によって大きく分類される。「環境にやさしい材料を使おう」と考える人たちと、「長持ちする家、省エネになる家にしよう」という人たちがいる。このどちらがわかりやすいかといえば前者だろう。だから「自然素材を使っている」というつくり手のメッセージが評価されてきたわけだが、本来はこの両者の視点をクロスさせたところこそに「最良の解」があるはずだ。
 私が材料の話をしようとしているのは、この「最良の解」を見出してもらいたいと思っているからであり、材料主義者を増やすためではない。いつのまにか省エネの話に戻ったりしてしまうのは、何とかして「材料がわかってからの次のステップ」があることを忘れてもらいたくないと思っているからだ。
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