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環境主義住宅を解く 第31回

 今回はまず内装材の「調湿や吸着」について。
 左官材料を中心に、「調湿する、ホルムアルデヒドを吸着する」というようなアピールがあり、つくり手のほうもそれを鵜呑みにして一般の人に伝えている。確かにビニルクロスに比べれば、そうした効果はあるだろう。でもそれがどこまで意味があるのかは別の問題。

 私の家(兼事務所)も3年ほど前に床や壁をリフォームした。調湿や吸着の効果がほとんどなさそうなものから、床はムクのフローリング、壁は珪藻土入り左官材料に替えた。でも実感として湿気や臭いの状況が変わったとは思えない。もちろん見た目には気持ちよくなったが、湿気や臭いについて大きな変化の実感はない(一定期間は木の臭いがしていたけど)。
 ついこの間、ある工務店が建てた家でホルムアルデヒドを測定したら、指針値の0.08ppmを超えてしまった。その家の壁に使われていたのは「ホルムアルデヒドを吸着、分解する」とメーカーが言っていたもの。もしかしたら少しは吸着、分解しているのかもしれないが、実際上の効果がないことが明らかになってしまった。

 私は以前炭を扱っていたから、調湿とか吸着にはかなり詳しい。自分でもいろんな実験をしてきた。それでわかったのは「調湿とか吸着はなかなか難しい」ということ。実験室で実験してみて「効果がある、機能がある」ということになっても、それが実際の場面でどこまで有効に働くかはまったく別の問題になる。その最大の理由は「実際の室内は密閉空間ではない」ということ。
 調理などの突発的な湿気や臭いの放出には「換気」がもっとも有効だし、外の湿度が高いときに吸湿によって室内の湿度を下げようとしたら、相当に速いスピードで湿気を吸着させてやらないといけない。ゆっくりだと取った湿気の分だけ外から湿気が補充されてしまうから。そして実際に吸湿のスピードはあまり速くないし、エアコンの除湿が有効なのはそのスピードが速いからだ。
 
 要するに、「調湿する、吸着する」というような効果に期待するのはよくない。内装材は、まず「安全性」、そして「見た目の好み」で選べばいい。そうやって選んだ材料に調湿や吸着の機能があり、結果的にそれで快適になったと感じたらラッキーということだ。

 このへんで内装材の話はオシマイにして、断熱材に進もう。断熱材の種類には結構関心がある人が多い。
 断熱材選びの難しさは、そこに非常に多様な要素がからんでくるところにある。もちろん環境負荷も考えたい。このあたりのことはややこしいが、とてもおもしろいのでじっくり解説していこう。
 断熱材を選ぶときに、何より重要なのは「断熱性能」。あたり前。でも断熱材の商品によっては、他の機能をごちゃごちゃアピールして、断熱性能をはっきり書いていないというひどいものもあるからご注意を。
さて、それぞれの材料の断熱性能は「熱伝導率」という数値で評価される。この「熱伝導率」は「材料の厚み1mにおいて両側の温度差が1℃のとき、1秒あたりどれくらいの熱が移動するか」という意味がある。もちろん、この数値が小さいほうが断熱性が高いことになる。
 ただ、この熱伝導率が0.2と0.1のものがあったとして、0.2のほうの厚みを0.1のほうの倍にすれば、熱の移動スピードは同じになる。つまり断熱性能を考えるときには、熱伝導率とともに、その厚みも見てやらないといけないということだ。
 続きは次回にしよう。
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