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環境主義住宅を解く 第32回

 この5日から6日にかけて「自立循環型研究会」の第2回フォーラムを開催した。今年の4月に開催した1回目のフォーラムについても、ここで少しご紹介した記憶がある。
 今回はさらに参加人数も増え、全国から70名ほどの人が集まってきた。比較的暖かい地域で、省エネ住宅のことに真面目に取り組んでいるようなグループは他にはない。みんな本当に純粋な人たちだ。
 今回のテーマは「夏場の状況を調べよう」だった。メンバーである工務店や設計事務所の人たちは、自分が提供した住宅に温湿度計を置き、温度や湿度を測定した。またそのお宅の消費エネルギーを調べ、さらに住まい手に快適感についてアンケートを行った。7名の人がそうした調査研究の結果について事例報告したが、どれもレベルが高いすばらしい内容だった。
 もちろん西村さんも参加して、「野池さん、これはおもしろい」と言ってくれた。ここ数年私は省エネ住宅に取り組んできて、つくり手の人たちがあまり盛り上がらないことに不満だったのだけれど、そんな気持ちが払拭される2日間になった。

 では断熱の話の続きにいこう。
 もっとも基本的な内容である「断熱材の効果は?」という話から。
 前回、断熱性能のことを簡単に述べた。断熱性能は熱伝導率というもので評価され、それは「熱の移動速度」だということだった。熱の移動速度が遅いものほど断熱性が高く、効果があるわけだけど、それはどういうことかを考えてみよう。
 室内に熱源があったとき、その熱は壁や天井から外に逃げていこうとする。もちろんそれは室内の温度よりも外のほうが温度が低いときにそうなる。熱は温度が高いところから低いところに流れるというのは中学校で習った通り。
 もし外に流れ出る熱の速度が大きければ、熱源の熱はなかなか室内にたまってくれない。逆に速度が遅いと、室内に熱がたまりやすくなり、つまり室内の温度が高く保持できるということになる。これが断熱する意味だ。
 断熱すると熱の出ていく量が減ると思っている人が多いが、室内の熱源から出る熱量が同じなら、出て行く量も同じになる。断熱する意味は、室内に熱をためやすくすることによって、少ない熱量で室内の温度を高くすることができるということなのだ。
 まあ実際には、こんな理科的な理屈を知っておく必要はないんだけど、せっかくなら正確な理解をしてほしいと思って解説してみた次第。

 次に、家の断熱性能をどんどん高くしていくとどうなるかを考えてみよう。
 家の中にはいろんな熱源がある。電化製品、照明、調理するときの熱、そして人体など。断熱性能をどんどん上げていくと、こうした小さな熱源だけでも室内に熱をためてくれるようになる。つまり「暖房が要らなくなる」ということになる。最近少し流行している「無暖房住宅」というのは、こうした理屈による。
 でも、断熱性能を高くする限界みたいなものが現実にはある。一般的には柱と柱の間に断熱材を入れることが多いんだけど(これを「充填断熱」と呼ぶ)、柱の太さはまあ12cmくらいだから、断熱材の厚みはこの12cm以上にすることができない。柱の外側に断熱する「外張り断熱」でも、あまり断熱材の厚みを大きくすると、それを留めるのが難しくなってしまう。
 厚みに限界があるなら、熱伝導率のめちゃくちゃ小さい断熱材を使えばいいじゃないかと思うかもしれないが、こちらにも限界がある。まあ常識的な値段のものという範囲で考えればということだけど。
 一方、根本的に断熱性を高くすることによって生じる問題がある。それは夏場のことだ。このあたりは次回に述べよう。
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