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環境主義住宅を解く 第39回

 今年もシロアリの季節がやってきた。いつもにも増して今年はSOS(羽アリが出た)の連絡が多く、走り回っている。
 今日の午前中は9年も前にシロアリ駆除を行ったところから「野池さーん、羽アリが出ちゃいました」という連絡があり、行ってきた。実はこのお宅は私にとって記念すべき現場で、私の師匠である神谷忠弘さんに愛知県岡崎市からわざわざ来てもらい、その駆除方法を初めて見たところ。そのときの巣はもちろんきちんと駆除できたのだが、今回は別の場所に新しい巣ができたようで、被害が出てしまった。
 午後からは去年の秋にリフォームと同時に駆除したところに。依頼があった工務店から「お客さんから、ベランダに羽アリがたくさん落ちているという連絡があったから見てきてほしい」と言われたもの。その家のシロアリは非常に活動が活発で、相当な範囲で被害があった。だから、この連絡を聞いてかなり暗い気持ちになった。もしうまく駆除できていなかったら、せっかく大規模にリフォームした家のどこかをはがさないといけない可能性が高かったからだ。
 でも行ってみると、お客さんが捕まえていた羽アリは「クロアリ」で、本当に胸をなでおろした。
 ついでに昨日の話をすると、岡山県の津山市に行ってきた。現場はお菓子屋さんで、4年ほど前から駆除を継続しているところ。ここもなかなか活動が活発で、まだすべてを駆除することができていない。去年は羽アリが出なかったのに、今年は大発生したらしくSOSの電話がかかり、すぐに行ってきたというわけ。できる限りの処置はしてきたが、「もしこれで駆除できなかったら、コンクリートの床を壊すしかありませんね」と伝え、帰ってきた。ここは古い木造倉庫を利用した店舗で、土間の木組みの上をコンクリートで塗り固め、床をつくっている。つまり床下がなく、木が地面に埋まっているような状態。シロアリにとっては最高の生育環境というわけだ。もちろん駆除も極めて難しい。

 今回は前回の続きを書くつもりだったが、こんな話をしてしまったので駆除の話に変更してしまおう。
 私はこの9年間、1年に10現場くらいのシロアリ駆除を経験してきた。全部でおよそ100件くらいになるか。この数は、シロアリ駆除を専門としている人に比べれば少ないだろうが、まあそこそこの件数だろう。
 私の方法は9年前に神谷さんに教えてもらった考え方や技術をそのまま継承していて、そのもっとも基本な考え方は「部分処理」である。一般的な駆除業者は「全体処理」を行うから、そこが決定的に違う。部分処理とは、活動しているシロアリだけを駆除するもの。全体処理は活動していないところにも薬剤処理する。
 なぜ全体処理をするかといえば、まずは「シロアリの生態がわかっていない人間でも駆除できる確率が高くなる」ということが挙げられるだろう。また「予防措置をしておく」という考え方かもしれない。いや、それよりも売上が上がるというビジネス上の理由が強いようにも感じる。
 そんな考え方に異議を示し、「部分処理」という考え方を広めているのが神谷さんというわけだ。「問題のあるシロアリの活動だけは食い止め(駆除して)、あとは定期的に監視していくのが正しい」という思想。確かな知識と技術に裏打ちされ、環境や健康のことにも配慮したこの美しい合理性に私は共感して、9年前に教えを乞うたというわけ。
 この9年間で、5年以上かけて駆除できなかったところはまだない。難しい現場もあったし、「この手でダメなら神谷さんにSOSするしかない」と考えた現場もいくつかあった。でも何とかこれまではうまく行っている。それはきっと、神谷さんの「シロアリと素直に向き合うことがすべて」という教えを守っているからだろう。この仕事はスリリングだし、奥が深い。
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