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9月の唄:グリーンフィールズ

★9月の唄:グリーンフィールズ

作詞・作曲:T.ギルソン、R.ディール、F.ミラー
歌唱:ブラザーズ・フォア
日本語詞:うさみ かつみ

降りそそぐ光は
流れゆく青い河は
空に飛ぶ白い雲は
肩寄せる二人のため
輝いてくれたあの日

燃え尽きた太陽
凍てついた風の中で
そして今ひとりぼっち
季節外れ迷子のように
失った夢を探す

何があなた変えたのか
ぼくには何もわからない
砕けた愛のかけら
寄せ集めて生きてゆく

降り注ぐ光よ
流れゆく青い河よ
空に飛ぶ白い雲よ
よみがえる愛の日々は
鮮やかに胸の奥に


GREEN FIELDS

Once there were green fields
Kissed by the sun.
Once there were valleys
Where rivers used to run.
Once there were blue skies
With white clouds high above.
Once they were part of
An everlasting love.
We were the lovers
Who strolled through green fields

Green fields are gone now
Parched by the sun.
Gone from the valleys
Where rivers used to run
Gone with the cold wind
That swept into my heart.
Gone with the lovers
Who let their dreams depart
Where are the green fields,
That we used to roam?

I'll never know what
Made you run away.
How can I keep searching
When dark clouds hide the day
I only know there's
Nothing here for me.
Nothing in this wide world
Left for me to see

But I'll keep on waiting,
Till you return.
I'll keep on waiting,
Until the day you learn.
You can't be happy,
While your heart's on the roam,
You can't be happy
Until you bring it home.
Home to the green fields
And me once again

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一人の行動が社会変える

★追う再稼働:九電川内原発2号機 「一人の行動が社会変える」 核燃料装着に抗議
***「毎日新聞 2015年09月12日 鹿児島版」より転載

九州電力川内原発(薩摩川内市)1号機の再稼働から1カ月となる11日、九電は10月中旬の再稼働を目指す2号機の原子炉に核燃料を装着する作業を始めた。原発再稼働に反対する姶良市の詩人、山中六(むつ)さん(62)はこの日も、川内原発の正面ゲート前に立ち、怒りの声を上げた。「やれるだけのことは何でもやる。そうでなくては変わらない」。市民団体のメンバーとして、現地で抗議活動を続ける。【杣谷健太】

奄美群島が日本に復帰した1953年、奄美大島に生まれた「復帰の子」。24歳の時、名瀬市(現奄美市)内のジャズ喫茶で、趣味で詩を書いていた男性に勧められ、詩を書き始めた。3人の子供を育てながら「精神の均衡を保つ」ために書き続けた詩は、山之口貘賞(93年)などで評価されるようになった。

 原発に疑問を持ち始めたのは44歳の時。そのころ58歳で亡くなった元原発労働者の平井憲夫さんの手記に衝撃を受けた。がんを患いながらも、原発建設現場で被ばくした労働者の救済を進めていた平井さんの活動を知り、「原発は絶対におかしい」と強く思った。

 山中さんは、原発の再稼働に反対するとともに、その進め方に強い憤りを感じている。5月末、市民団体のメンバーと福岡市の九電本店を訪れ、11万筆以上の署名をもとに九電による住民説明会開催を求めたが、九電は一度も開かないまま再稼働へ突き進んだ。

 「水のリボン」という詩に、山中さんは今の思いを表現する。



水のリボン

山から海へ
逆流することのない
水の流れを体感する
この胸に
水のリボンを
蝶(ちょう)結びにして
水の坂を
眼(め)には見えない
希望へと
生命を携え
私は行進する



 一人一人の行動でしか社会は変えられないと思っている。

・・・・・・・・・・・・・

★国会前、単身座り込み 「人生の最初も最後も戦争にならないといいが」
***「田中龍作ジャーナル 2015/09/22」より転載

 民主主義を足蹴にした、安保法制の強行採決から5日が経つ。禍々(まがまが)しい “事件”の現場となった国会の前にただ一人座り込む年老いた男性がいた。

 神奈川県伊勢原市に住む男性(73歳・年金生活者)は、7月から毎週1回、ここで座り込みを続けている。

 男性が手にするプラカードには『倒憲主義はテロの導火線になる』と書かれていた。

 「自衛隊が海外で武力行使すればテロを呼び込むことになる。民主主義国家でなくなれば(弾圧に反発する人たちにより)日本国内でテロが起きることもある」と意味を説明した。

 昭和17年(1942年)、釜石(岩手県)で生まれた。釜石は製鉄所があったことから米軍の空襲に加えて艦砲射撃に遭った。

 「(軍艦から)水平射撃するんだ」「パイロットの顔が分かるほど米軍は低空を飛んでいた」。防空壕に身を潜めていた時の恐怖体験を語る。

 淡々とした口調が戦争の過酷さを物語っていた。

 19日未明にあった安保法制の強行採決は自宅にいてテレビを見ていた。

 「来るものが来た、という感じで特段に驚かなかった。70年かけて培ってきた民主主義を、これから戦争に向かって傾斜させていくんだなと思うと暗い気持ちになった」。言葉を噛みしめるようにして語った。

 「人生の最初も戦争だった。最後も戦争にならないといいが」。遠くを見る男性の眼差しは愁いに満ちていた。

【備忘録】佐賀ラーメンの歴史

★佐賀ラーメン・市内中心版。
*参考として白濁豚骨ラーメン発祥に関する事象と、ちゃんぽんのお店も加えている。

1922 大正11 春駒食堂開業
1925 大正14 大ばかもり食堂開業 
1930 昭和5 志げる食堂開業
1933 昭和8 若柳食堂開業
1947 昭和22 三九(久留米)で白濁豚骨ラーメン誕生※1
1948 昭和23 赤のれん&博龍軒(福岡)で白濁豚骨ラーメン誕生※2
1949 昭和24 畑瀬食品開業
1951 昭和26 三九を四ヶ所さんが引き継ぐ
1952 昭和27 三九が玉名に二店の支店を開店※3
1952 昭和27 北京千両開業(佐賀で最初のラーメン店)
1955 昭和30 三九軒開業(三九の創業者兄弟の弟さんのお店)
1956 昭和31 三九、久留米から佐賀に移店
1958 昭和33 一休軒(本店)開業
1958 昭和33 東洋軒開業
1959 昭和34 精養軒開業
1959 昭和34 再来軒開業
1961 昭和36 来来軒(神埼)開業
1962 昭和37 洋々軒開業
1974 昭和49 幸陽軒開業(佐賀駅近く)
1976 昭和51 テルテル開業
1976 昭和51 うどんの佐賀県開業
1977 昭和52 長浜一番開業
1979 昭和54 幸陽軒、大財通への移店を経て再移店(愛敬通)
1980 昭和55 一休軒鍋島店開業
1985 昭和60 一休軒さがラーメン開業※4
1987 昭和62 長浜ラーメン三吉開業
1989 平成元 北京千両が再移店を期にシャロームへ屋号変更※5
1992 平成4 南小倉にあった一竜軒が三年のブランクを経て唐津で復活
1995 平成7 大ばかもり食堂閉店
1998 平成10 いちげん開業
2001 平成13 三九軒閉店※6
2005 平成17 再来軒閉店
2007 平成19 洋々軒閉店
2008 平成20 (3月) 幸陽軒閉店
2008 平成20 (5月) 幸陽軒の店主が焼肉店・幸陽閣を開業
2008 平成20 (11月) 幸陽閣でラーメンの提供開始
2010 平成22 志げる食堂廃業
2010 平成22 (12月) 精養軒に手ほどきを受けた美登里@浅草が開業
2011 平成23 (8月) 一休軒本店廃業
2011 平成23 (9月) 一休軒本店が一休軒広島本店として広島で復活
2012 平成24 (1月) 一休軒鍋島店が「らーめん もとむら」に屋号変更
2012 平成24 (11月) 一休軒さがラーメンが一休軒本店に屋号変更※7
2012 平成24 (12月) 一休軒呉服元町店が開業※8  
2013 平成25 (8月) 三九で漏電を原因とする火災が発生し全焼。
2014 平成26 (3月) 一休軒旧本店系のラーメン専門店こうの開業※9 

※1 豚骨を用いた出汁を煮詰めすぎて偶然にも白濁豚骨スープができた。それ以前のラーメン店はベースが豚骨出汁であっても清湯スープであった。
※2 赤のれん店主がアイヌ料理にヒントを得て作った白濁スープに、博龍軒店主がそのスープに合う麺を開発し完成したラーメンだった。
※3 そのラーメンを模し、熊本ラーメンのルーツである「松葉軒」「こむらさき」「味千ラーメン」が誕生した。
※4 開業当時の屋号は「一休軒支店」であった。
※5 佐賀市の南国ビル南の水路沿いにあった店舗が立ち退きにあって移転した。
※6 屋号を引き継ぎ、店主の息子さんが2003年に北方町にラーメン店を開店させたが、程なく閉店してしまった。
※7 「一休軒」の商標登録しているのは同店である。
※8 同店を運営している株式会社トライクには、出資者としてサガン鳥栖の運営会社・サガンドリームスの竹原社長も絡んでいる。 
※9一休軒旧本店出身の太閤軒というお店で働いていた方が店主である。

***「佐賀×○:さがばってんまる」より転載

内田樹:毎日新聞ロングインタビュー 2015/09/21

★9月21日の毎日新聞インタビュー:ロング・ヴァージョン
***「内田樹の研究室 2015/09/22」より転載

――各種世論調査では国民の6割が今国会での成立に反対する中、政府・与党は採決を強行しました。

国民が今一番感じているのは、「民主主義には欠点がある」ということでしょう。選挙で両院の多数派を占めれば、次の選挙まで、政権党はどんな政策でも強権的に実行できてしまう。その政策が現時点での民意とどれほど乖離していても、有権者には政権の暴走を止める手立てがない。
私たちが忘れているのは「民主制と独裁は共生可能だ」という事実です。独裁というのは別に「今日から私が独裁者である。逆らうやつは投獄する」というようなわかりやすいかたちを採るものではありません。「独裁」の定義は「法の制定者と法の執行者が同一である」という単純なものです。ですから、「独裁」の反対概念は「民主制」ではなく、「法の制定者と法の執行者が別である」制度すなわち「共和制」です。
現代日本のように、立法府が事実上空洞化し、議員たちが党議拘束をかけられて、官邸が作った法律がほとんど自動的に国会で承認されている状態は、形式的にはいまだ「民主主義的」ではありますが、もう十分に「共和的」ではありません。
先日、首相は委員会で野党委員に向かって「早く質問しろよ」というやじを飛ばしました。この言葉は、首相自身が国会審議を単なる「アリバイ作り」のセレモニーに過ぎないと思っていることをはしなくも露呈しました。法律を決めるのは官邸であり、国会はそれを追認するだけなら、それはもう限りなく「独裁」に近い政体になっているということです。

――他国軍の後方支援など自衛隊の活動は大きく拡大します。

自衛隊員に後方支援の大義名分が納得させることができるでしょうか。大義名分を信じている兵士は強い。自分が何のためにそこにいるのか、その意味を理解している兵士は、「どうしたらいいかわからない」状況でもその中で生き延びるための最適解を選択できる。でも、今の自衛隊員が例えば中東で米国の始めた戦争の後方支援に送られた場合、とっさの判断で最適解を選び取れるでしょうか。私は難しいと思います。そこにいる大義名分がないから。名前も知らない他国の都市を攻撃し、言葉も通じない非戦闘員に銃を向けることがなぜ日本の国防にとって必然性があるのか、現場の隊員は、いくら上官に説明されても、わからないでしょう。戦うことの意味がわからない兵士はとっさの判断に遅れます。敵味方の筋目が見えなくなる。非戦闘員に銃を向けることをためらう。むろん人間としてはその方が「まっとう」なのですけれど、兵士としては殺されるリスクが高い。
自衛隊員に死傷者が出たあと、おそらく日本のメディアは死者を英霊にまつりあげるでしょう。そして、「このように危険な派兵に大義はあったのか?」という常識的な責任論を語るものの声を「死者を犬死にさせる気か」というヒステリックな絶叫が黙らせることになるでしょう。米国のような言論の自由な国でさえ、9・11後はそれまで低迷していたブッシュ大統領の支持率が90%にまで跳ね上がり、政権批判がほとんど不可能になりました。日本なら、その程度では済まないでしょう。「派兵に大義はあったのか?」と問う者は「非国民」、「敗北主義者」と罵られ、石もて追われることになる。私はそう予測します。そして、安倍政権はまさにそういう状況の出現を期待して安保法制の制定を急いだのだと思います。

――学生らの反対活動は全国に波及しました。

特に運動が盛り上がってきたのは、法案が衆院で強行採決された後でした。立憲政治の手続きが踏みにじられたことに対する怒りです。学生たちのスピーチを聞いていると、彼らが心から怒っていることが分かります。学校名と氏名を名乗り、人々の前に生身をさらして、なぜ自分がここに立っているのか、その思いを、自分の言葉で語っている。その切実さに私は胸を打たれます。
久しく「若い人たちは非政治化している」と私も思っていたので、彼らの出現はほんとうに意外でした。徴兵されて、戦場で人を殺したり殺されたりするということは、彼らにとってもまだそれほどリアルに切迫した未来ではないと思います。でも、安倍政権の人権抑圧的な政策がこのまま次々施行されるなら、若者たちにとって耐えがたく息苦しい社会になるということについてははっきりとした身体的な違和感・恐怖感を感じていると思います。

――今回の学生たちの運動は今後の政治にどんな影響を与えるのか。

SEALDsは運動を続けてゆくと思います。彼らは一法案についてだけではなく、民意をくみ上げ、異論との合意形成をはかることができなくなった今の政治システムそのものに対して「NO」と言っているわけです。法律ひとつで終わるはずがない。
ですから、このあと「デモの次は選挙」という方向になると思います。来夏の参院選に向かって、彼らは「安保法案に賛成した議員は全員落とす」という運動に転換していくでしょう。
6月に選挙権年齢を18歳以上に下げる法改正が成立し、参院選から240万人の新有権者が登場します。安倍政権はこの集団の政治性を低く見積もって、「どうせ選挙権を行使しない」「メディアや広告を使えば簡単に自民党支持層に繰り込める」とたかをくくっていたのだと思います。でも、今は後悔しているはずです。というのは、この240万人に対して今一番影響力を持つ組織は、自民党でも民主党でもなく、SEALDsだからです。

日本の貧困問題をあぶりだす3冊

★「貧困大国・日本」の現実から目を背けてはいけない
***「JBpress 9月19日(土)6時0分配信記事」より転載

@日本の貧困問題をあぶりだす3冊

 確かに、軽減税率の設定とは違い、小売業側の煩雑な事務手続きが省略されるメリットはあります。

 しかし、マイナンバー制度を実際に運営するには、3000億円程度をかけて環境を整備する必要があるとのこと。そこまでお金をかけて軽減措置が必要な増税は、何のための増税なのか理解に苦しんでしまいます・・・。

 消費税増税の大きな一因になっている、未曾有の高齢化社会の到来。年金や医療費、介護に必要な社会保障給付の急激な伸びが、財政を圧迫していることは、周知の事実です。

■ まる子の爺さんのような老後は送れない

 その高齢者社会の異変を取り上げたのが、『下流老人』(藤田孝典著、朝日新聞出版)。

 例えば、アニメの「ちびまるこちゃん」でお馴染みの友蔵じいさん。子ども家族と同居し、趣味の俳句を楽んだり、まる子に何かをせがまれては、年金で買ってあげようとしたり。そんなふうに、のんびりと平穏に余生を暮らす――日本の高齢者のイメージを友蔵じいさんに重ねて見る方も多いかと思います。

 しかし、現在の日本では、友蔵じいさんのような悠々自適の老後を送ることが難しくなってきました。アパートの家賃が払えない、医療費が払えず通院できない、何日も食事をとれていない・・・。

 著者は、埼玉県を中心に、生活困窮者支援を行うNPO法人の活動に携わっており、貧困問題を抱える多くの高齢者の相談を受けてきました。
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 その理由は様々ですが、いずれも一朝一夕に解決できる問題ではありません。なぜなら、少子化や核家族化の進行、若年層の非正規雇用やワーキングプアの増加、未婚率の上昇など、現在の日本社会が抱える問題が、幾重にも複雑に重なった結果だからです。

 そのため、根本的な解決は今のところ難しく、誰にでも起こりうる問題でありながら、相談者個人に合わせた対処療法しかないのが現実です。

 それでも、著者は、生活保護を含め現在の社会保障制度の改善を訴えながら、個人でもできる防衛策を伝えています。

 本書のタイトル「下流浪人」は、著者の造語で、生活保護基準相当で暮らす、またはその恐れのある高齢者を指しています。インパクトのある言葉ですが、あまり定着はしてほしくはありません。むしろ、書店の店頭から本書が消えるような社会を目指したいものです。

■  子どもの貧困問題はさらに深刻

 近年、高齢者と並んで、子どもに関しての貧困問題もクローズアップされ、関連する書籍のコーナーを設ける書店が増えています。続いては、その中の1冊を紹介しましょう。

 『貧困の中の子ども』(下野新聞 子どもの希望取材班著、ポプラ社)。

 前述の『下流老人』の中で、貧困問題に陥る高齢者のパターンとして、収入が著しく「少ない」、十分な貯蓄が「ない」、頼れる人間が「いない」の、3つの「ない」を指摘していました。

 本書で問題提起する子どもの貧困問題にも、悲しいことにその3つの「ない」が当てはまります。ただ、高齢者の場合に比べ、子どもたちはより受動的です。知らない間に貧困問題に陥り、自分たちだけではどうにもならないだけに、事態は深刻です。

 本書は、栃木県・下野新聞の大型企画をまとめた本です。貧困問題に直面する様々な親子の姿、対応する自治体、学校の現場を追いつつ、これからの社会ができることを探っていきます。

 新聞社の特性を生かした丁寧で多角的な視点の取材は、内外から高く評価され、ジャーナリズムに関する数々の賞を受賞しました。特に、「世界第3位の経済大国・日本に信じがたい現実がある。」から始まるプロローグは、必見です。

 本書をただの子どもの貧困問題のルポルタージュに終わらせず、解決までの道筋を示したい、との並々ならぬ決意を感じる熱い文章です。

 子どもの貧困は、高齢者の貧困問題以上に、個人ごとの対処療法で済まされる問題ではありません。この国に生まれた子どもたちが、置かれた環境に支配されることなく、希望と共に育つ社会を作れるかどうか。

 大きな意味で、いま私たちが試されている問題だと言えるでしょう。

 無関心は許されません。まずは本書を手に取ってみて下さい。

■  フリーター、ワーキングプア、格差社会? 

 「子どもと性行為は汚いから嫌い」と潔癖であることを明かし、物議を醸しだした古市憲寿氏。その後も、「合唱している中学生の顔の造形が辛い」など、お茶の間を騒がしていますが、本職は社会学者。

 その彼の代表作が、『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)です。

 高齢者と子どもに関する書籍を紹介しましたので、最後に若者論の本書を紹介します。

 フリーター、ワーキングプア、格差社会・・・。取り巻く環境が厳しく、何かにつけて「不幸」が枕詞につく現代の若者たち。しかし、2010年の時点ですが、20代は男女とも65%以上が現在の生活に「満足」しているという統計調査の結果が出ました。

 著者は、実際のフィールドワークを重ねつつ、さまざまな資料や知識人の発言を踏まえながら、この数字の背景を探っていきます。

 そこから見えてきたのは、未来の幸せのために生きるのではなく、今の幸せに目を向ける「内向き」な若者の姿でした。

 もちろん、その背景には、これからの日本社会への絶望が含まれていることは言うまでもなく、それがタイトルにも繋がっています。

 本書は、冒頭で著者自ら言っているように、若者のパーフェクトマニュアルではありません。ただ、現代の若者を理解するための参考書にはなります。あくまで参考書だからか、これから日本社会に対する提言はありません。個人的には、ここに物足りなさを感じてしまいます。

 その代わりかも知れませんが、「財政破綻?  侵略される?  だから何?」と刺激的な見出しで著者の主観的な考えが提示されています。冒頭の発言も踏まえ、おそらく自分に正直な方なのでしょう。その独自のキャラクターを含め、今後の動向に注目です。

 このように、世代別の書籍を読んでいくと、どの世代でもこの先、不安が・・・。2017年4月の消費税の再増税分が、有意義に使われることを私たちは今以上に見届けて行かねばなりません。

 さて、私もそろそろ売り場に戻ることにしましょうか。店頭を充実させるために一働きしてきます。

 軽減措置の対象は、「酒を除く飲食料品」。書籍や雑誌が含まれていないことに危機感を感じています。

 昨年の春の増税時の店頭の冷え込みには、とても困りました。その経験を生かし、再来年の春を迎えられるように、いまから対策を練らなければなりません。皆さん、良いアイデアがありましたら、ぜひご一報を! 
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(栗澤 順一)

社会から孤立する「下流中年」

★行く末は孤独死…社会から孤立する「下流中年」
***「週刊SPA! 9月19日(土)13時51分配信記事 」より転載

◆ふとした要因で簡単に孤立化。負のスパイラル

「年収は300万円。暇はあっても友達と飲みに行くお金はありません」

 そう語るのは、IT企業に勤める佐藤大輝さん(仮名・37歳)。新卒で入った会社は、毎日終電のブラック企業。35歳で体を壊し、退職したのが運の尽きだった。再就職先はなかなか見つからず、年収を妥協して今の仕事に就いた。

「社会人になってからは仕事人間でしたから。大学時代の友人とも疎遠になっていた。気づけば周りの友人は結婚して家族持ち、飲み仲間なんてつくるお金もない。30代後半になって、猛烈な寂しさに襲われるようになりました」

 昨今、下流老人が注目を集めているが、その序曲は35~49歳の中年時代から始まっている。給与が横ばいの働き盛りの世代が今、下流中年化するケースが増えているのだ。そして彼らを下流化させる引き金となるのが、孤立化である。

 SPA!が行なったアンケート「孤独を感じたことはありますか?」によれば孤独と感じる人は30.5%とまだ少ない。しかし、予備軍も含めると潜在的な孤立化する下流中年は、多いと見られている。ジャーナリストの溝上憲文氏も、労働環境の変化で「今後は下流中年の孤立化に拍車がかかる」と警鐘を鳴らす。

「IT化によって昔ながらのビジネススキルが通用しなくなるなか、今や大量採用の恩恵を受けた40代の半数はリストラ対象と言われています。一方、転職市場では年収3割減は当たり前で、一度でも非正規になれば正社員に戻ることは限りなく難しい。また、妻が自立している共働き世帯では、夫のリストラや親の介護が離婚に繋がるパターンも多く、ある日突然、人間関係が崩壊するリスクが40代に急激に高まるのです」

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Q1:孤独を感じたことはありますか?

YES:678人(30.5%) / NO:1547人(69.5%)

※全国都市部在住の35~49歳(正社員・契約・派遣・公務員)で個人年収400万円台以下の男性2225人アンケートで「孤独」を感じたことのある678人(30.5%)から無作為に300人を抽出し、Q2のアンケートを実施

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 また、「いないと『孤独』を感じる対象は?」というアンケートでも65%の人が「友人がいない」ことが孤独を感じる要因と回答。友人形成は学生時代など過去からの積み重ねであり、中年になってから実行するのは難しい。

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Q2:いないと「孤独」を感じる対象は?(複数回答可)

友人:65.0%/彼女:41.0%/家族:33.3/仕事仲間:28.3%/先輩:11.0%
後輩:10.3%/親:6.3%/その他:0.3%

※中年にも差しかかれば友人関係は構築済みで、家庭に愛着を持つ頃合いかと思いきや、友人が65%と突出。字面以上の“孤独の中身”の深刻さを物語る結果となった

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 そして、下流中年の末に待ち構えているのは「孤独死」という冷たい現実だ。

「低年収でも社会と繋がっていれば問題ないのですが、企業が利益至上主義によって労働者の教育を放棄したことで『挨拶ができない』など“マナーの貧困”が深刻化しています。その結果、“なるべくしてなった孤独死”という側面も強くなってきた。この状況が改善されない限り、社会人として未熟にもかかわらず自立していると思い込み、孤独死に至るケースが減ることはないでしょう」(社会福祉学者・結城康博氏)

 社会からの孤立化が働き盛り世代を下流中年の闇へと陥れ、それがまたさらなる孤独感を生むのだ……。

◆母親の介護のために、見知らぬ土地で孤立。メールも一切届かない

~ 白沢 譲さん(仮名・41歳)/食品工場社員/年収280万円 ~

「5年前、北海道に住む母親が倒れ、介護のために仕事を辞めて東京を離れました。以来、友人との付き合いはほとんどありません」

 白沢さんは生まれも育ちも東京。父親が定年を機に移住した北海道とは縁もゆかりもなかった。

「父親は移住して間もなく亡くなり、東京の自宅は処分したので戻ることもできない。私は一人っ子ですし、自分以外に母親の面倒を見てくれる人もいないので……」

 仕事もそれまでのSEから食品会社工場スタッフとなり、年収は150万円のダウン。ただし、それ以上にキツかったのは、見知らぬ土地での孤独感だったとか。

「職場は年上のパート女性ばかりで、数少ない同年代の男性社員は地元出身の既婚者。独身でヨソ者の私とは話が合わず、仕事以外での付き合いはほぼ皆無です」

 現在、母親は日常生活を送れるまで回復したが、「今さら一人にはできない」と話す。介護負担は軽減されたが、逆に休日などの時間を持て余すようになった。

「お金も友達もいないので、いつも低価格パチンコで時間をつぶしていますね。虚しさを感じるのは昨夏に機種変した携帯にメールが一切届かないこと。どうせ誰とも繋がらないので、LINEもフェイスブックも未加入です」

 親の介護を言い訳にしたくない。その葛藤が白沢さんを苦しめる。 

 <取材・文/宮下浩純 高島昌俊 撮影/西田 航>

※この記事は週刊SPA!9/22・29合併号特集『下流中年の危機』より抜粋されたものです。

・・・・・・・

【溝上憲文氏】 ジャーナリスト。経営、人事など労働問題、労働環境をテーマに活躍。著書に日本労働ペンクラブ賞受賞の『非情の常時リストラ』(文春新書)、『人事部はここを見ている!』(プレジデント社)など

【結城康博氏】 社会福祉学者。地域包括支援センターで社会福祉士、ケアマネージャー、介護福祉士として勤務後、淑徳大学教授。著書に『孤独死のリアル』(講談社現代新書)、『介護―現場からの検証』(岩波新書)など

奥田愛基さんのスピーチ:参院中央公聴会

★奥田愛基さんが参院中央公聴会でおこなったスピーチ全文
***「弁護士ドットコムニュース編集部」書き起し

●「私たちは無党派。政治信条の垣根を超えてつながっている」

ご紹介にあずかりました大学生の奥田愛基と言います。SEALDsという学生団体で活動しております。

あのー、すいません、こんなことを言うのは大変申し訳ないんですが、さきほどから寝ている方がたくさんおられるので、もしよろしければ、お話を聞いていただければと思います。

僕も2日間ぐらい緊張して寝られなかったので、早く帰ったら寝たいと思っているので、よろしくお願いします。

はじめに、SEALDsとは、「Student Emergency Action for Liberal Democracy s」。日本語で言うと、「自由と民主主義のための学生緊急行動」です。

私たちは特定の支持政党を持っていません。無党派の集まりで、保守、革新、改憲、護憲の垣根を越えて繋がっています。

最初はたった数十人で、立憲主義の危機や民主主義の問題を真剣に考え、5月に活動を開始しました。

その後、デモや勉強会、街宣活動などの行動を通じて、私たちが考える、国のあるべき姿、未来について、日本社会に問いかけてきたつもりです。こうした活動を通して、今日、貴重な機会をいただきました。

今日、私が話したいことは3つあります。

ひとつは、いま、全国各地でどのようなことが起こっているか。人々がこの安保法制に対してどのように声を上げているか。

ふたつ目は、この安保法制に関して、現在の国会はまともな議論の運営をしているとは言いがたく、あまりに説明不足だということです。端的に言って、このままでは私たちは、この法案に対して、到底納得することができません。

みっつ目は、政治家の方々への私からのお願いです。

●「危機感を抱いた若い世代が動き始めた」

まず第一にお伝えしたいのは、私たち国民が感じている、安保法制に関する大きな危機感です。

この安保法制に対する疑問や反対の声は、現在でも日本中で止みません。つい先日も、国会前では10万人を超える人が集まりました。

しかし、この行動は何も、東京の、しかも国会前で行われているわけではありません。

私たちが独自にインターネットや新聞で調査した結果、日本全国で2000カ所以上、数千回を超える抗議が行われています。累計して130万人以上の人が路上に出て声を上げています。

この私たちが調査したものや、メディアに流れたもの以外にも、たくさんの集会があの町でもこの町でも行われています。まさに全国各地で声が上がり、人々が立ち上がっているのです。また、声を上げずとも、疑問に思っている人はその数十倍もいるでしょう。

強調しておきたいことがあります。それは私たちを含め、これまで政治的無関心といわれてきた若い世代が動き始めているということです。

これは誰かに言われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。

私たちはこの国の民主主義のあり方について、この国の未来について、主体的にひとりひとり個人として考え、立ち上がっていったものです。

SEALDsとして行動を始めてから、誹謗中傷に近いものを含む、さまざまな批判の言葉を投げかけられました。たとえば「騒ぎたいだけ」だとか、「若気の至り」だとか、そういった声があります。

他にも、「一般市民のくせして、お前は何を一生懸命になっているのか」というものもあります。つまり、お前は専門家でもなく、学生なのに、もしくは主婦なのに、お前はサラリーマンなのに、フリーターなのに、なぜ声を上げるのかということです。

●「路上に出た人々が空気を変えた」

しかし、さきほどもご説明させていただきました通り、私たちはひとりひとり個人として、声を上げています。

不断の努力なくして、この国の憲法や民主主義、それらが機能しないことを自覚しているからです。

「政治のことは選挙で選ばれた政治家に任せておけば良い」。この国には、どこかそのような空気感があったように思います。

それに対し、私たちこそがこの国の当事者、つまり主権者であること、私たちが政治について考え、声を上げることは当たり前なのだということ。そう考えています。

その当たり前のことを当たり前にするために、これまでも声を上げてきました。

2015年9月現在、いまや、デモなんてものは珍しいものではありません。路上に出た人々が、この社会の空気を変えていったのです。デモや、至るところで行われた集会こそが、不断の努力です。

そうした行動の積み重ねが、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権といった、この国の憲法の理念を体現するものだと、私は信じています。

私は、私たちひとりひとりが思考し、何が正しいのかを判断し、声を上げることは、間違っていないと確信しています。また、それこそが民主主義だと考えています。

●「反対のうねりは世代を超えている」

安保法制に賛成している議員の方々も含め、戦争を好んでしたい人など、誰もいないはずです。

私は先日、予科練で、特攻隊の通信兵だった方と会ってきました。70年前の夏、あの終戦の日、20歳だった方々は、今では90歳です。

ちょうど、いまの私や、SEALDsのメンバーの年齢で戦争を経験し、そして、その後の混乱を生きてきた方々です。そうした世代の方々も、この安保法制に対し、強い危惧を抱かれています。

私はその声をしっかりと受け止めたいと思います。そして、議員の方々もそうした危惧や不安をしっかり受け止めてほしいと思います。

いま、これだけ不安や反対の声が広がり、説明不足が叫ばれる中での採決は、そうした思いを軽んじるものではないでしょうか。

70年の不戦の誓いを裏切るものではないでしょうか。

いまの反対のうねりは、世代を超えたものです。70年間、この国の平和主義の歩みを、先の大戦で犠牲になった方々の思いを引き継ぎ、守りたい。その思いが私たちをつなげています。

私は今日、そのうちのたった一人として、ここで話をしています。つまり、国会前の巨大な群像の中の一人として、国会に来ています。

●賛成の声は減っている

第2に、この法案の審議に関してです。各世論調査の平均値を見たとき、始めから過半数近い人々は反対していました。そして月日をおうごと、反対世論は拡大しています。

「理解してもらうためにきちんと説明していく」と、現政府の方はおっしゃられていました。しかし、説明した結果、内閣支持率が落ち、反対世論は盛り上がり、この法案への賛成意見は減りました。

「選挙のときに集団的自衛権に関して既に説明した」とおっしゃる方々もいます。しかしながら、自民党が出している重要政策集では、アベノミクスに関しては26ページ中8ページ近く説明されていましたが、それに対して、安全保障関連法案に関してはたった数行しか書かれていません。

昨年の選挙でも、菅官房長官は「集団的自衛権は争点ではない」と言っています。

さらに言えば、選挙のときに、国民投票もせず、解釈で改憲するような、違憲で法的安定性もない、そして国会の答弁をきちんとできないような法案をつくるなど、私たちは聞かされていません。

私には、政府は法的安定性の説明をすることを、途中から放棄してしまったようにも思えます。

憲法とは国民の権利であり、それを無視することは、国民を無視するのと同義です。また、本当に与党の方々はこの法律が通ったらどのようなことが起こるのか、理解しているのでしょうか。想定しているのでしょうか。

先日言っていた答弁とは全く違う説明を、翌日に平然とし、野党からの質問に対しても、国会の審議は何度も何度も速記が止まるような状況です。

このような状況で、いったいどうやって国民は納得したら良いのでしょうか。

●「今の世論を作り出したのは与党のみなさん」

SEALDsはたしかに注目を集めていますが、現在の安保法制に対して、その国民的な世論を私たちが作りだしたのではありません。もしそう考えておられるのでしたら、それは残念ながら過大評価だと思います。

私の考えでは、この状況を作っているのは、紛れもなく現在の与党のみなさんです。

つまり、安保法制に関する国会答弁を見て、首相のテレビでの理解しがたい、たとえ話をみて、不安に感じた人が国会前に足を運び、また全国各地で声を上げ始めたのです。

ある金沢の主婦の方がフェイスブックに書いた国会答弁の文字おこしは、またたくまに1万人もの人にシェアされました。ただの国会答弁です。普段なら見ないようなその書き起こしを、みんなが読みたがりました。なぜなら、不安だったからです。

今年の夏までに、武力行使の拡大や集団的自衛権の行使容認を、なぜしなければならなかったのか。

それは、人の生き死にに関わる法案で、これまで70年間日本が行ってこなかったことでもあります。いったいなぜ、11個の法案を2つにまとめて審議したか。その理由もわかりません。ひとつひとつ審議してはダメだったのでしょうか。全く納得がいきません。

結局、説明した結果、しかも国会の審議としては異例の9月末まで伸ばした結果、国民の理解を得られなかったのですから、もうこの議論の結論は出ています。今国会の可決は無理です。廃案にするしかありません。

●「若者に希望を与えるような政治家でいてください」

私は毎週、国会前に立ち、この安保法制に対して、抗議活動を行ってきました。そして、たくさんの人々に出会ってきました。その中には自分のおじいちゃんやおばあちゃん世代の人や親世代の人、そして最近では自分の妹や弟のような人たちもいます。

たしかに「若者は政治的に無関心だ」と言われています。しかしながら、現在の政治状況に対して、どうやって彼らが希望を持つことができるというのでしょうか。関心が持てるというのでしょうか。

私は、彼らがこれから生きていく世界は、相対的貧困が5人に1人と言われる超格差社会です。親の世代のような経済成長も、これからは期待できないでしょう。いまこそ政治の力が必要なのです。どうかこれ以上、政治に対して絶望してしまうような仕方で、議会を運営するのはやめてください。

何も、賛成から全て反対に回れというのではありません。私たちも安全保障上の議論は非常に大切なことを理解しています。その点について異論はありません。しかし、指摘されたこともまともに答えることができない、その態度に強い不信感を抱いているのです。政治生命をかけた争いだとおっしゃいますが、政治生命と国民ひとりひとりの生命を比べてはなりません。

与野党の皆さん、どうか若者に希望を与えるような政治家でいてください。国民の声に耳を傾けてください。まさに、「義を見てせざるは勇なきなり」です。

政治のことをまともに考えることが、馬鹿らしいことだと、思わせないでください。現在の国会の状況を冷静に把握し、今国会での成立を断念することはできないのでしょうか。

世論の過半数を超える意見は、明確に、この法案に対し、今国会中の成立に反対しているのです。自由と民主主義のために、この国の未来のために、どうかもう一度、考え直してはいただけないでしょうか。

●「3連休をはさめば忘れるだなんて・・・」

私は単なる学生であり、政治家の先生方に比べ、このようなところで話すような立派な人間ではありません。もっと正直に言うと、この場でスピーチすることも、昨日から寝れないぐらい緊張してきました。

政治家の先生方は、毎回このようなプレッシャーに立ち向かっているのだと思うと、本当に頭が下がる思いです。一票一票から国民の思いを受け、それを代表し、この国会という場所で毎回答弁をし、最後は投票により法案を審議する。

本当に本当に大事なことであり、誰にでもできることではありません。それは、あなたたちにしかできないことなのです。

ではなぜ、私はここで話しているのか。どうして勇気を振り絞り、ここに来なくてはならないと思ったのか。それには理由があります。参考人として、ここに来てもいい人材かわかりませんが、参考にしてほしいことがあります。

ひとつ。仮にこの法案が強行採決されるようなことになれば、全国各地でこれまで以上に声が上がるでしょう。連日、国会前は人であふれかえるでしょう。次の選挙にも、もちろん影響を与えるでしょう。

当然、この法案に関する、野党の方々の態度も見ています。本当にできることはすべてやったのでしょうか。私たちは決して、いまの政治家の方の発言や態度を忘れません。3連休をはさめば忘れるだなんて、国民をバカにしないでください。

むしろそこからまた始まっていくのです。新しい時代はもう始まっています。もう止まらない。すでに私たちの日常の一部になっているのです。

私たちは、学び、働き、食べて、寝て、そしてまた、路上で声を上げます。できる範囲で、できることを、日常の中で。

私にとって政治のことを考えるのは、仕事ではありません。この国に生きる個人としての、不断の、そして当たり前の努力です。

私はこの困難な4カ月の中で、そのことを実感することができました。それが私にとっての希望です。

●「グループに属する前に、一人の個であってください」

最後に、私からのお願いです。SEALDsの一員としてではなく、個人としての、一人の人間としてのお願いです。

どうかどうか、政治家の先生たちも、個人でいてください。政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった一人の個であってください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し、判断し、行動してください。みなさんには一人ひとり考える力があります。権利があります。

政治家になった動機は人それぞれ、さまざまあるでしょうが、どうか、政治家とはどうあるべきなのかを考え、この国の民の意見を聞いてください。勇気を振り絞り、ある種の賭けかもしれない、あなたにしかできない、その尊い行動を取ってください。日本国憲法はそれを保障し、何より日本国に生きる民、一人ひとり、そして私は、そのことを支持します。

困難な時代にこそ希望があることを信じて、私は自由で民主的な社会を望み、この安全保障関連法案に反対します。

2015年9月15日、奥田愛基。ありがとうございました。

2015/09/08の東京新聞から

★2015/09/08の東京新聞から

◆安保法案と沖縄  鎌田 慧 (ルポライター)

わたしは、青森県出身なので、なんでこんなに青森ばかりに、危険なものをもってくるんだ、との怒りがある。
 
「核センター」とでも呼ぶべき、核の集中施設だ。故障ばかりの再処理工場を中心に、濃縮ウラン工場やウランとプルトニウムを加工するMOX工場、英仏から帰ってきたプルトニウムと高レベル核廃棄物、低レベル核廃棄物。普通の原発ばかりか、もっとも危険な、全量MOXが原料の実験的な原発、さらに核廃棄物の中間処分場、油断していると、最終処分場も持ち込まれそうだ。はじめは大工業開発の看板を掲げ、農地や牧場が買収された。全部がウソだった。
  
それよりひどいのは沖縄だ。戦争で奪われた島である。住民4人に1人が戦争に巻き込まれて死亡した。70年たっても占領米軍はそのまま居残り、あの美しい海を埋め立て、巨大な新基地を確保する計画だ。その手先となって建設費も負担、工事を強行しようというのが、日本政府だ。
  
青森県とのちがいは、知事と県民の大多数が、「もうこれ以上危険な基地はいらない。基地に依存しない、平和な県をめざす」と力を合わせて抵抗していることだ。12日午後2時から「建設工事は諦めろ」と安倍内閣に要求して国会を取り囲む。もう3度目の集会だ。安保法案と戦争に反対する集会でもある。
  
(9月8日東京新聞25面「本音のコラム」より)

◆原発再稼働カギ握る知事

@九電が支援 政権と蜜月:「川内」・鹿児島の場合

地方政界に君臨する知事は、原発の再稼働問題でも大きな影響力を発揮する。知事は確たる法的権限を持たないものの、立地自治体と電力会社間の紳士協定である安全協定に基づき、事実上、知事の同意がなければ再稼働は難しい。九州電力川内原発1号機(鹿児島県)に続き、同2号機も十月中旬には再稼働する。福島原発事故直後は各知事の動向が注目されたが、そう言えば最近は影が薄い。知事と原発について考える。 (鈴木伸幸、三沢典丈)

鹿児島の伊藤祐一郎知事は「女の子にサイン、コサイン教えて何になる」発言が物議を醸したばかりだが、川内原発の再稼働には一貫して前向きだった。再稼働が争点となった二O一二年七月の知事選では争点をぼかすためか、「将来的には脱原発」と主張したものの、三選を果たした後は、推進姿勢をあらわにする。原子力規制委員会の新規制基準に基づく主な審査が昨年九月に終わると、事故時の住民の避難計画や火山対策が不十分なまま、わずか二カ月後の十一月には再稼働に同意した。

伊藤知事は典型的な官僚出身の首長だ。地元の進学校ラサール高校から東京大法学部を経て、旧自治省に入省。O四年に総務省審議官で退官して知事選に初当選を果たした。中央とのパイプの太さが売りだ。伊藤知事は官僚時代に石川県に出向し、北陸電力志賀原発(同県)の立地計画に関わった。その経験から原発には自信があるようだ。同意表明の会見では「(審査で)世界最高水準の安全性が確保」「避難計画が使われるケースはほとんどない」「(合意の選択に)自信があります」などと自説を披露した。

再稼働に向けた地元同意には法的な規定はない。しかし、国は原発の半径三十キロ圏の自治体には避難計画策定を義務付けている。川内原発でも立地自治体の薩摩川内市のほかに八市町が対象だが、伊藤知事は「原発の知識の簿さ」を理由に、同意対象の拡大は「賢明ではない」と明言。強引に同意の範囲を鹿児島県と摩川内市に限定した。

一二年の知事選で伊藤知事と争った「反原発・かごしまネット」向原祥隆代表は「原発を動かしたい安倍政権が、再稼働に前のめりの伊藤知事に目を付けた。相思相愛だったから、新基準での再稼働第一号となった」と推測する。ご多分に漏れず、伊藤知事の背後にも電力会社の影がちらつく。九州最大の企業である九電の支援なしに国政選挙や知事選で勝つのは容易ではない。伊藤知事も、O八年の知事選前には九電が政治資金パーティー券を購入していた。川内原発3号機の増設を申請する時期のO九年には、九電からミュージカルの観劇券を受け取っていたことが問題視された。

そんな親密ぶりは、県議選のあった今年四月にも明らかになった。伊藤知事は記者会見で、再稼働同意が昨年十一月だったのは、県議選での争点化回避が狙いだったと発言。川内原発建設反対連絡協議会の烏原良子氏は「世論調査では再稼働には反対意見が強い。そんな県民の意思を無視する行為だ」とあきれる。向原氏は「九電は一四年度をめどに2号機の蒸気発生器を替えるとしていたが、替えていない。重大事故につながる危険性もあり、再稼働は中止すべきだ」と声を上げるが、伊藤知事は無視を決め込む。

@「知事個人ではなく県民全体」:安全協定・再稼働反対は「柏崎刈羽」の新潟だけ

そもそも再稼働における知事の権限とは何か。原発の建設や運転、廃止などの手続きを定めた原子炉等規制法には、知事の法的権限を明確に定めた条文はない。根拠は、原発が立地する道県と市町村が原子力事業者と締結している「原子力安全協定」だ。安全協定には、放射性廃棄物の取り扱いや事故時の対応が盛り込まれている。原子炉の増設や変更を行った後、再稼働する場合には、立地する道県と市町村の同意を要件としている。

安全協定は法律ではなく、紳士協定のため、事業者が立地自治体の同意なしに再稼働しても、法的枠組みから逸脱するわけではない。とはいえ、関連法令で多くの許認可権限を握る知事を無視するわけにはいかない。伊藤知事が、地元同意の範囲を県と薩摩川内市に限定したのも、知事の巨大な政治力ゆえだ。

では、原子力規制委の審査に適合済みの関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)と四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を抱える知事は、どう対応するつもりなのか。

福井県の西川一誠知事は地元同意の範囲を含めて態度を明らかにしていない。サヨナラ原発福井ネットワーク世話役の若泉政人氏は「高浜町周辺の各自治体から、再稼働について協定と同等の権限を認めてほしいとの声が出ているが、県は否定的だ。一二年七月に関西電力大飯原発が再稼働した際も、『やむにやまれず』とずる賢く容認した。いずれ高浜町が同意すれば県と高浜町の同意だけで稼働に突き進むのではないか」とみる。

愛媛県の中村時広知事ものらりくらりだ。メディアの取材では、再稼働の同意範囲や可否について「まだ白紙」と回答したが、「伊方原発をとめる会」事務局次長の和田宰-つかさ-氏は「中村知事は原発に批判的な意見にまったく耳を貸さない。伊方町が同意すれば、同意するとしか思えない」とため息をつく。

もっとも、こうした知事の言動はなかなか伝わってこない。思えば福島事故後、最初に再稼働した大飯原発をめぐっては、安全対策の提言を発表した滋賀県の嘉田由紀子知事(当時)と山田啓二京都府知事らが脚光を浴びた。

電力会社と知事との不透明な関係も盛んに取り沙汰された。九電玄海原発がある佐賀県の古川康知事(当時)に対しては、歴代の九電幹部らが個人献金していたほか、九電が古川県政のさまざまな事業に多額の寄付をしていた。一一年、国主催の原発再稼働の県民説明番組では、古川氏から再稼働を容認する意見を求められ、九電側が賛成意見(やらせメール)の投稿までやった。同年、北海道電力泊原発の再稼働に容認姿勢を示した北海道の高橋はるみ知事も、北電幹部から毎年献金を受げ取っていた。

これらと一線を画すのは、東京電力柏崎刈羽原発の地元・新潟県の泉田裕彦知事だけだ。福島事故以来、「事故原因の検証、総括がないままでの再稼働はありえない」との姿勢を崩していない。

知事の役割の重要性は今も変わっていない。知事はどうあるべきなのか。

浅野史郎・元宮城県知事は「事業者が安全協定を結んでいるのは知事個人ではなく、県民全体。住民全体をおもんぱかっているのは泉田知事だけだ」と指摘したうえで、「住民投票が難しければ県議会が住民の意向をくみ取るべきだが、知事の顔色ばかり見ている」と嘆く。

市民団体「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「知事として住民の安全を守るために、再稼働のリスクなどを独自に判断する必要がある」と強調するとともに、地元同意に関する法整備の必要性を説く。「事故の際の避難計画は地方自治を尊重して各自治体任せなのだから、立地自治体の同意も原子炉等規制法に明記すべきだ」

東京大公共政策大学院の松浦正浩・特任准教授(合意形成論)も「地元同意の範囲を立地自治体に限ることもできれば、三十キロ圏内の全自治体の同意を求めることもできるなど、知事次第でルールの変更を許す制度になっている。原発自体への賛否とは別に、同意の決め方の議論も進めるべきだ」と訴える。

(((デスクメモ)))福島事故後、新潟の泉田知事にインタビューした。「事故を検証するところから始めなければ、原発の今後については何も答えられない」。当時は、再稼働に含みを持たせたようにも思えた。今でこそ、脱原発の旗頭とみられている泉田氏だが、実は「事故の検証・総括」を繰り返し唱えているにすぎない。(圭)

(9月8日東京新聞「こちら特報部」より)

原発再稼働:じっくり腰据え論議の機会に

★原発再稼働:じっくり腰据え論議の機会に
***「佐賀新聞 2015年09月07日 05時00分配信記事」より転載

国内の原発で初めて新規制基準下で九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が再稼働して、間もなく1カ月。10日には営業運転に移る見通しになった。当初予定していた「9月上旬」にぎりぎり間に合いそうだが、予期せぬ出来事もあった。

 発電に使った蒸気を冷やす復水器の細管に穴が開き、海水が入り込んだ。同様のトラブルは1997年と99年にも玄海原発1号機で起きた。原子力規制委員長は今回、予測の範囲内という見解を示したが、長期間停止していた原発の再稼働では想定外の事態が起きる可能性が指摘されている。

 再稼働5日目には桜島で大規模噴火が切迫しているとして、警戒レベルが4(避難準備)に引き上げられた。桜島から川内原発までは約50キロ。川内原発は火山と活断層のリスクが指摘されてきただけに原発防災上も看過できない。

 川内原発が順調にいけば九電は玄海原発に人員をシフトし、再稼働への準備を加速させる。再稼働の時期は「年度内は難しい」(九電)とし、今後の状況次第だが、岸本英雄玄海町長は地元の感触として「来年の夏頃」とみる。ということは1年は「猶予」がある。

 実効性が問われている避難計画の拡充や放射線防護対策、6割程度にとどまっているヨウ素剤の配布など、積み残している課題は多い。そうした事故が起きた際の備えは当然として、原発そのものとどう向き合っていくか、もう一度、根本的な議論が求められる。

 原発をめぐる論議は推進か反対かという二者択一、言葉を言い換えれば二項対立になりがちだ。特に再稼働など大きな局面を迎えた時はそうで、報道でも与党・電力業界+経済界VS野党・市民団体という図式の中で語ってしまう。

 ただ、川内原発再稼働について九州沖縄の主要企業に聞いたアンケートでは、回答した49社のうち23社が「歓迎する」とした一方、2社は「歓迎しない」、24社は「どちらとも言えない」だった。

 原発停止は電気料金値上げなど企業の経営圧迫要因になっているが、こぞって早期再稼働を待ち望んでいるわけではない。実際、11社は「審査をクリアしても安全性に疑問が残る」ことを反対または留保の理由に挙げていた。

 安全神話が崩壊した今、賛成か反対かの従来の図式では語れない状況が生まれている。

 九電の9月中間決算は原油価格の下落や川内原発の再稼働で5年ぶり黒字になる見通しとなった。企業としての経営は当然重要だが、電力・エネルギー事業は広く産業、そして暮らしに直結した公益事業である。

 安定供給の一方、何を選択するのか、また、公益の観点から国民全体の利益の増進に寄与しているか、絶えず検証する必要がある。

 福島第1原発事故から4年半。「原発回帰」も言われるが、核燃料サイクル事業は行き詰まり、高レベル放射性廃棄物の最終処分問題はめどは立たないなど、原発を取り巻く課題が明らかになり、国民の視線は厳しい。

 県や立地・周辺市町でも再稼働論議が本格化する。直面する諸課題だけでなく、中長期的な視点を併せ持ち、じっくり腰を据えて、これからの原発・エネルギー政策と原発立地県のありようを考えていきたい。(吉木正彦)

遠い「原発復権」

★遠い「原発復権」、再稼働は6割に不透明要因
***「ロイター 9月1日(火)10時40分」配信記事より転載

[東京 1日 ロイター] - 全国で停止中の原発42基のうち7基は再稼働が展望できるが、6割に当たる26基は不透明要因を抱え、9基は困難──。

ロイターが原子力規制委員会の審査状況に加え、地元関係者や電力会社、エネルギー専門家に取材した結果、今後の再稼働展望が依然として厳しい状況が浮き彫りになった。

8月11日に九州電力<9508.T>川内原発1号が再稼働し、約2年間続いた「原発ゼロ」の状況は終わったものの、政府と電力会社が狙う「原発復権」への動きは、極めて緩慢なペースが長期化しそうだ。

<規制委審査、地元同意、司法がハードルに>

原発再稼働には、1)原子力規制委員会の審査、2)地元同意、3)運転差し止め訴訟など司法判断──という3つのハードルがある。3つの関門のうち、ひとつでもクリアできなければ、再稼働は難しい。

ロイターは、再稼働した九州電力川内1号を除く停止中の原子炉42基の再稼働の可能性について、各課題の現状や今後の展望を分析し、「解決済み」「問題少ない」「不透明」「困難」の4つに分けて、経済性など他の要因も加味して評価した。

その結果、川内2号や四国電力<9507.T>伊方3号など7基は「有力」、運転禁止の仮処分を裁判所に命じられた関西電力<9503.T>高浜3、4号や、地元知事の姿勢が厳しい東京電力<9501.T>柏崎刈羽など26基は「不透明」、原子炉直下に活断層がある可能性が指摘されている日本原子力発電敦賀2号や北陸電力<9505.T>志賀1号、東電福島第2など9基は「困難」といえる状況にあることが分かった。

<先行の加圧水型12基、審査合格が視野>

原発の新規制基準適合性審査には15原発25基が申請済みで、合格と判定されたのが川内1、2号、高浜3、4号、伊方3号の5基。また、関電大飯3、4号と九電玄海3、4号は審査の中で最大の課題だった「基準地震動」(最大の地震の揺れ想定)が了承されており、いずれ合格判定に至るとみられる。

北海道電力<9509.T>泊1─3号は、立地する積丹半島西岸の地震リスクに関する同社の主張が規制委に大筋認められた。北電は「積丹に関する議論がほぼ決着したのは大きい」(関係者)との受け止めだ。

高浜3、4号と関電大飯3、4号の再稼働は司法判断が鍵。今年4月、福井地裁が高浜3、4号の稼働停止を命じる仮処分を出したことで関電が異議を申し立て、同地裁で審理中だ。停止を命じた樋口英明裁判長に代わり、林潤裁判長が審理を担当。住民側弁護士によると高浜3、4号と大飯3、4号について実質的に合同で審理が進行しており、11月までに3回の審尋が予定されている。

<沸騰水型は地元同意が課題>

ロイターが再稼働「有力」と評価した7基はいずれも加圧水型。東電福島第1と同じ沸騰水型は8原発10基が審査を申請したが、基準地震動など主要な審査項目で了承を得た事例はない。規制委は8月6日、柏崎刈羽6、7号に集中して審査を進める方針を示した。

沸騰水型の多くは地元同意や世論が課題といえる。柏崎刈羽がある新潟県の泉田裕彦知事は「福島原発事故の検証と総括」の必要性を強調。重大事故を起こした東電による再稼働には、世論の強い批判も予想される。

日本経団連のシンクタンク「21世紀政策研究所」の澤昭裕・研究主幹は「泉田知事の厳しい発言に対し、東電が事故原因を総括し地元合意が取れれば他の沸騰水型も合意が取りやすくなる」と指摘する。

大規模な東海地震の想定震源域に位置する浜岡原発については、地元静岡県の川勝平太知事が「住民が意見を言う機会を持つべき」(今年6月の記者会見)と発言、県民世論を重視する考えだ。

<40年超運転は認められるか>

原発の運転期間は原則40年に制限されている一方で、1回に限り最長20年間の延長を認めているが、古い原発は「燃えにくいケーブル」を敷設していないなど、課題を抱える。総延長1000キロメートル超のケーブルの入れ替えは困難で、代替策が認められるかどうかが焦点だ。

審査申請済みの原発のうち、燃えにくいケーブルをまだ設置していないのは高浜1、2号、関電美浜3号、日本原電東海第二の4基。関電は高浜1、2号について「防火シート」で包む代替策を提案しており、規制委が審査で同提案を認めるかどうか焦点だ。規制委の田中俊一委員長は、代替策の可否について「審査をしている中で、予断をもった判断は言えない」(8月19日の記者会見)としている。

総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の小委員会に参加する東京理科大学大学院の橘川武郎教授は、停止状態にある42基に加え、建設中の電源開発<9513.T>大間原発など新設炉を加えると、「再稼働は最終的に30基前後」との見通しを示した上で、「再稼働はスローなペースで進むだろう」と指摘している。

<原発再稼働の可能性評価>

評価: A有力  B不透明  C困難

課題: ◎解決  ○少ない  ▲不透明 X困難

炉型: P(加圧水型) B(沸騰水型)

●再稼動開始

川内1(P 九州)

●再稼動申請中

         規制委審査 地元同意 訴訟リスク 評価

川内2         ◎    ◎    ○    A

高浜3(P 関西)   ◎    ○    ▲    B

高浜4         ◎    ○    ▲    B

伊方3(P 四国)   ◎    ○    ○    A

玄海3(P 九州)   ○    ○    ○    A

玄海4         ○    ○    ○    A

大飯3(P 関西)   ○    ○    ▲    B

大飯4         ○    ○    ▲    B

泊1 (P 北海道)  ○    ○    ○    A

泊2          ○    ○    ○    A

泊3          ○    ○    ○    A

柏崎刈羽6(B 東京) ○    ▲    ○    B

柏崎刈羽7       ○    ▲    ○    B

島根2(B 中国)   ○    ▲    ○    B

浜岡4(B 中部)   ▲    ▲    ▲    B

女川2(B 東北)   ○    ▲    ○    B

東通(B 東北)    ▲    ○    ○    B

東海第二(B 日本原電)▲    ○    ○    B

志賀2(B 北陸)   ▲    ○    ▲    B

美浜3(P 関西)   ▲    ○    ▲    B

高浜1         ▲    ○    ▲    B

高浜2         ▲    ○    ▲    B

浜岡3         ▲    ▲    ▲    B

大間(B 電源開発)  ○    ○    ▲    B

●未申請

浜岡5         ▲    ▲    ▲    B

敦賀2(P 日本原電) X    ▲    ▲    C

大飯1         ▲    ▲    ▲    B

大飯2         ▲    ▲    ▲    B

伊方1         ▲    ▲    ○    C

伊方2         ▲    ▲    ○    C

玄海2         ▲    ▲    ○     C

女川1         ▲    ▲    ○     B

女川3         ▲    ▲    ○    B

福島第二(B 東京)  ▲    X    X    C

(1─4)

柏崎刈羽        ▲    ▲    ▲    B

(1─5)

志賀1         X    ▲    ▲    C

島根3(建設中)    ○    ▲    ○    B

*建設中の大間、島根3の運転開始は再稼働ではない。

*原子力規制委員会の審査状況と地元関係者や電力会社、エネルギー専門家への取材にもとづいて評価。

*表のスタイルを修正しました。

(浜田健太郎 編集:北松克朗)
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