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19.秋日和

 今日(十月十二日)は、朝から空気も陽差しも気持ちよく、いい日和となる感じがした。調べごとと散策を兼ね、午前中、福岡市動植物園へ出かけてみた。途中、野村望東尼ゆかりの平尾山荘の横を通ると、梅の木やニシキギの枝が伸び放題、園地全体が年々すこしずつ荒れてきているようで気になった。浄水通りにぶつかると、動植物園へ向かうマイカーの渋滞が始まっていて、入口あたりでは、係員がせわしそうに別の駐車場へと誘導していた。チケット売場手前のスロープの脇には、ずいぶん昔から綿菓子やアニメのお面を売る露店があり、今でも営業している。入園料は大人四百円だが、高校生以下は無料、納得のいく設定だ。十月は都市緑化月間らしく、木工教室や茶会などのイベントが紹介されていた。園内に入ると、ほとんどが子供連れの家族で、老年の夫婦や若いカップルの姿は僅かである。色づき始めたナンキンハゼやユリノキの木立の間から、秋の陽がもれている。二十七年ほど昔、海の中道「動物の森」の仕事をしていた頃、当時の福岡市動物園長だったMさんにいろいろと話をうかがったことがある。Mさんは、南公園に動物園を作る話が出たとき、まず樹をたくさん植えることを進言されたらしい。その樹々が現在、高さ15~20mほどの大木になっている。この辺りにみられるシイなどの二次林とともに、植栽した樹木が福岡市の貴重な森を形成している。植物園に向かうルート沿いにオランウータンの動物舎がある。僕は、だいたいここで立ち止まることが多いのだけれど、ユキ(雌)・ミミ(雄)の姿が見えない。新しい動物舎が出来るまで、ユキは多摩動物公園ヘ、ミミは豊橋総合動植物公園ヘ引っ越したらしく、共にここへ戻ってくるかは未定だ。植物園への坂道を左に曲がる手前に、小さなスロープカーができていた。高低差は10mほどなので無駄な整備だと思うのだが、子連れの家族にとってはアトラクションのひとつなのか、行列ができていた。植物園は昭和55年に開園、以前は平尾浄水場だったところだ。福岡市最初の浄水場として大正2年(1913年)に着工、10年後に給水を開始した。配水池点検用通路の入口だった部分が、植物園の入口広場の一角に残されていて、額の銘文に「浄而豊、碧澗聲、讃水徳」と記されている。建設に携わった人たちの願いや思いが込められている。植物園で催されている木工教室の指導員が、受付でこどもたちに参加を促している。テーブルに食用になるシイとマテシイ(マテバシイ)が置いてあるので、食したことのないマテシイをつまんでみた。圧力釜で三十分くらい蒸して、焙烙(ほうろく)で煎るらしい。少し大味だが弾力があって素朴な風味がした。順路の起点になるコーナーにコスモスが咲いていて、アマチュアがカメラを向けている。個人的には、田舎の家の庭先に畑に混じって咲いているような風情が好きだが、絞りの入った珍しい花びらが美しく、興味をひいた。
園の中央にある芝生広場に来ると、おおぜいのピクニック客がシートを敷き、弁当をひろげている。絵に描いたような、正しい公園利用の姿をみるのは本当に何年ぶりだろう。世相を反映して、手頃な行楽にシフトする人たちが増えているのだろうか。植物園のあちこちに、土やチップを敷きつめた路が多く、固い路面に慣らされた足の裏が悦ぶのがわかる。













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