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2030年になる前に、日本の財政は破綻するでしょう。

★渡邉正裕氏:2030年になる前に、日本の財政は破綻するでしょう。
***【2030年の「働く」を考える #7・8:*渡邉正裕氏 2013-12/2・8】より転載

・・・・・・・・・あしたのエントリーと比較検討してください。

社会視点①:このままでは、2021年までに日本の国債は信用を失い、暴落します。
社会視点②:財政が破綻すると、公務員や銀行員は人気職種でなくなります。
社会視点③:日本の財政破綻は、日本の製造業に光を取り戻します。

個人視点①:「重力の世界」に属する人の前途は、より一層厳しくなります。
個人視点②:「日本人メリット」がある職種は、重宝されます。
個人視点③:「夢のあるブラック労働」を嫌がっていると、損をします。

***

@行くところまで行かないと、この国は変わりません

Q ベストセラー『10年後に食える仕事 食えない仕事』を書かれた渡邉さんに、今日はぜひ、2030年の「食える仕事 食えない仕事」について忌憚のないご意見を伺えればと思っております。

 まず大前提からお話ししますが、2030年の仕事については「国家財政の破綻」を抜きにして語っても意味がないと思います。『10年後に食える仕事 食えない仕事』は、グローバル化によって日本人の働く環境にどのような影響が出るかを語った本です。グローバル化による影響が伝わりにくくなってしまうため、ここにはあえて財政破綻の影響は加味しませんでした。しかし実際は、このままでは国債暴落による財政破綻が起きることは確実です。その場合、日本人の働く環境が財政破綻の影響を大きく受けることは間違いありません。
 国債暴落とその顛末について、私は2011年に、週刊誌にシミュレーション小説「老人が泣き 若者は笑う」を発表しました。その小説では2013年に国債が暴落することになっていますが、今は、東京五輪が開かれる2020年までは財政出動により暴落は起こらず、Xデイは2021年にやってくると考えています。
 現在、国の借金は1000兆円を超えており、絶え間なく増え続ける利子の他に、財政赤字によってここ2、3年は毎年40兆円ほどが積み上がっています。今後もしばらくは同程度の赤字が続く見込みですから、消費税を仮に10%にしても到底プラスにはなりません。少子高齢化がさらに進みますので、GDPが増えて税収が上がることも考えにくい。このままではいずれ間違いなく日本国債は信用を失い、私が小説に書いたように暴落して国家財政を破綻させます。
 これを防ぐには、政治による抜本的な制度改革が必要ですが、私は、日本の政治家は改革を遂行できないと踏んでいます。なぜなら、自民党も民主党も長年にわたり、大きな改革を何一つ成し遂げられなかったからです。唯一の大改革だったはずの郵政民営化ですら見直されました。ほとんど実績をあげていない政治家たちを、私は信じることができません。「働く」ということでいえば、雇用改革によって正社員の既得権を崩さなくてはいけませんが、少なくとも財政破綻まで正社員制度も維持されたままになるでしょう。
 改革が進まない以上、破綻は必至です。本当に日本を変える政治家が現れるのは、破綻の後になるでしょう。この国は、行くところまで行かないと決して変わらないと思います。
 じわじわと訪れるグローバル化と突然やってくる財政破綻。2030年の「働く」をお話しする際には、どちらも無視することはできません。

@最も困るのは公務員と銀行員、そして高齢者です

Q 大変ショッキングなお話から始まりましたが、渡邊さんのおっしゃるように本当に財政が破綻したら、一体、日本の「仕事」はどうなるのでしょう。

 環境が激変するのは、当然ながら国から給与が支払われている公務員です。大規模な解雇などは考えにくいですが、給与は大幅に削られることになるでしょう。長い間、公務員は一番人気の仕事でしたが、破綻後は一気にその地位から転落するのではないかと思います。
 それから、メガバンクをはじめとして国債を大量に買っている国内金融機関が相次いで倒産し、外資系企業に買収される確率が高いです。このとき、スキルの高い営業やプロジェクトファイナンスの専門家などスペシャリストは再就職できると思いますが、従来はエリートとされてきたゼネラリストはリストラの対象になりかねません。
 最も悲惨なのは高齢者です。年金の支給額が急減し、国内金融機関にある預金は保護される1000万円以上は戻ってこないでしょう。困窮する高齢者が増えることになると思います。ただ、現代日本は住宅以外の生活コストは安いので、持ち家のある人たちは何とか生活できるのではないでしょうか。問題は住宅のない人です。仕事に就けたとしても低賃金でしょうから、それで生活できるかどうか。多くの高齢者が、路上生活者となったり、田舎の廃校などで集団になってギリギリの生活を送るといった事態に陥りかねません。そうならないために、今から預金は外貨預金に変えるなど、できる限りの防御策を施すべきです。

@意外なことに、財政破綻は「製造業復活」の引き金にもなります

Q お話を伺っていると、気持ちが暗くなるばかりです。財政破綻後、何か明るい話題はないのでしょうか。

 円安による輸入品価格の暴騰と、財政赤字を穴埋めするために日銀が円を大量に印刷することで、間違いなくインフレが起きると思われます。不況下のインフレ、スタグフレーションです。どのような仕事に就いている人も、実質的な給与の低下など、多かれ少なかれネガティブな影響を受けることになります。リストラ・減給なども頻繁に起きるでしょう。しかし、それ以上の事態に発展する可能性は低いと思いますし、インフラ系企業に勤める人々など、これまでどおりの生活を保てる人も一定数いるはずです。
 一方で、意外なことに景気のよくなる業界もあります。輸出産業です。財政破綻は極端な円安を引き起こしますから、国内生産比率が高く輸出量の多い製造業などは、劇的に業績が改善する可能性が高い。その筆頭は自動車メーカーです。財政破綻は、「製造業の復活」の引き金にもなるでしょう。これらの企業の好業績によって、日本の景気は多少持ち直すはずです。それにしても、日本の製造業の復活が日本の財政破綻と表裏一体とは、実に皮肉なことです。

@2030年も、日本のタクシーのほとんどは、日本人が運転しているでしょう

Q それでは、ここからは渡邉さんの著書『10年後に食える仕事 食えない仕事』のなかにある「グローバル時代の職業マップ」の「4つの世界」を参考にしながら、2030年の「働く」について、より具体的なお話をお聞かせ願えればと思います。

 まずは「重力の世界」からお話しします。日本人であるメリットを活かすことのできない技能集約的な仕事群です。「重力の世界」については、『10年後に食える仕事 食えない仕事』では規制がない世界の究極の姿を示しており、そういった世界では、これらの仕事は主に移民の仕事になっていくわけですが、現実的には、おそらく日本は、外国人の移民を今後もほぼ受け入れることはないだろうと思います。移民政策をとっていたヨーロッパ諸国では、今、その失敗が問題になっており、移民を増やす方向には進んでいません。そのような先例も踏まえると、制度改革の難しい日本で日本人の職を奪うような移民政策が遂行されるとは考えにくい。実際に現在、日本政府は移民政策の議論すら行っていません。
 移民を受けいれない限り、「国内に残る職種」はこれからも変わらず、基本的には日本人の仕事となるはずです。ただし、財政破綻後は職を失った高齢者や中高年が「重力の世界」にどっと流れ込み、給与水準が一層下がることが予想されます。これらの仕事に就く人の前途が厳しいことに変わりはありません。なお、「国境を越える職種」はすでに外国人に置き換わりつつあり、さらに進む傾向にあります。
 2つ目は、日本人であるメリットが少なく、知能集約的な「無国籍ジャングル」ですが、この領域では、本でも書いたとおり「人類70億人との仁義なき戦い」が行われます。これらの職種に就く人の土俵はあくまでもグローバルですから、日本の財政が破綻してもあまり影響は受けません。この世界で腕に自信のある人は、どんどん世界へ出ていき、チャレンジしてほしいと思います。リスクが高い代わりに、返ってくるものも大きいでしょう。いや、むしろ「世界就職」や「世界転職」した方が、日本に残るよりかえってリスクは低いかもしれません。

@「日本人メリット+手に職」の組み合わせがあれば、世界のどこでも食べていけます

Q ここまでが「日本人メリット」のない人たちのゾーンですね。では、残りの2枠についても解説をお願いします。

 次は「ジャパンプレミアム」です。これらの職種は日本文化や日本語に慣れ親しんだ人でないと難しく、たとえ移民を受け入れたとしても、外国人が増えるとは考えにくい。このことを私は「日本人メリット」と呼んでいます。日本人メリットのある仕事のうち、技能集約的なものが「ジャパンプレミアム」。公務員・教員・自衛官は別として、他の職種は、財政破綻後もそれなりに重宝されるでしょう。
 なかでも今後有利なのは、美容師や料理人などの「手に職」をもった人たちです。たとえ財政破綻がなくても、これからは日本人が世界中に飛び立っていく時代。「日本人メリット+手に職」をもつ人々は、日本人の多く住む地域で店を開けばよく、世界のどこでも食べていけるチャンスがあります。今、日本食は世界的なブームで健康的でおいしいと評判になっており、板前やすし職人などには特に大きな可能性があります。
 また、財政破綻によって急激な円安が起こったら、間違いなく外国人観光客が増えます。「日本観光ブーム」がやってくる可能性も十分にあるでしょう。「おもてなし」を得意とする旅館などのサービス業にも追い風が吹きそうです。

@デジタル化できない製造技術は、引き続き日本の独壇場となるでしょう

Q 最後に紹介されるのは「グローカル」ですね。

 『10年後に食える仕事 食えない仕事』にも書きましたが、やはり日本に残って働くのなら、日本人メリットがある知能集約的職種群「グローカル」(図表5)をお勧めします。もちろん財政破綻の影響は受けるでしょうが、その後も引き続き必要とされる職種ばかりです。
 特に2030年に有望なのは、復活する製造業の開発技術者や営業などでしょう。ただし、デジタル化が進む技術は早晩グローバル化の波に飲み込まれてしまいます。そうではなく、日本独自の「すりあわせ」の強みを発揮できる技術、つまり一部にアナログのプロセスが残っていく分野は、今後も日本人の独壇場であり続けるはずです。
 日本人は、製造業に最適化された民族です。この特徴はそう簡単には変わらないでしょう。2030年になっても、依然として製造業中心の経済構造が維持されるのではないかと思います。

@「夢のあるブラック労働」こそ、日本の強みの源泉ではないでしょうか

Q 最後に、特に2030年の主役となる今の若者たちに向けて、何かアドバイスをいただけないでしょうか。

 今、「ブラック企業」という言葉が流布しています。確かにブラック企業およびブラック労働は存在しますが、それらは「夢があるかどうか」でかなり種類が違うと思います。夢や未来のないブラック企業やブラック労働は大問題です。しかし、「夢のあるブラック労働」は、むしろ日本の強みの源泉になっているのではないかと私は思っています。
 例えば、日本の誇るマンガやアニメの制作現場、特に下積み中の若手制作者たちの職場環境は、労働時間や給与の観点から見れば、間違いなくブラックの部類に入ります。しかし、話を聞いてみると、彼らの多くは自分の将来のために喜んで働いている。他にもゲーム開発者、日本料理の料理人、お笑い芸人など、同様に過酷な「修業期間」のある職種は数多くあります。これらを「夢のないブラック労働」と一括りにするのは問題です。その大変な期間を乗り越えるからこそ一人前になれるわけで、ブラックといって敬遠していては十分な技術が身につきません。
 実は、これらの職種はいずれも「日本人メリット」のあるものばかり。夢を見据えたブラック労働による修業システムこそが日本の強みを支える差別化ポイントだというのは、決して言いすぎではないと思います。やりたいことがあるのなら、まずは修業の現場に飛び込むことです。そこでの経験が、後に「日本人メリット」として、きっと自分の身を助けるはずです。
 逆に、私は「ホワイト企業」への就職はお勧めしません。これまでお話ししてきたように、公務員ですら今後は決して安泰ではないのです。どんなに安定していると思える企業に入っても、一寸先は闇。それなら、ホワイト企業で安穏としているよりも、自分の興味に従って夢のあるブラック企業で自らを鍛えた方が、確実に将来のためになります。

インタビュー:古野庸一

*渡邉正裕氏:株式会社MyNewsJapan 代表取締役社長、編集長、ジャーナリスト。慶應義塾大学(SFC)卒。日本経済新聞記者、日本アイ・ビー・エムのコンサルタントを経て、2004年、ジャーナリズムに特化したインターネット新聞社MyNewsJapanを創業。自らもジャーナリストとして雇用・労働問題を中心に“企業ミシュラン”シリーズの執筆を続ける。著書に『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』『トヨタの闇』『35歳までに読むキャリアの教科書』などがある。
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