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31.コスモス

 十月に入り、運動会や物産市をはじめとする様々なイベントが、あちこちで催されている。気持ちのよい天候に恵まれた連休の日曜日〈11日〉、海の中道海浜公園を訪ねた。朝、少し早く自転車で築港へ向う。かつて賑わいを見せた博多の港の拠点施設ベイサイドプレイスも、開発前のように渡船やフェリーの発着所に戻ったようだ。自転車を近くの駐輪場に置き、志賀島行きの船に乗って十五分、西戸崎に着く。ここ数年、西戸崎に行くことは無かったのだが、渡船場のすぐ隣は乗馬クラブになり、その横に大規模な高層マンションが建っていた。ホテル海の中道ができた時代のような景観への配慮もまったく感じられず、陳腐な建物だ。海岸線も人工的な石積の護岸に変わってしまった。落胆しながら、公園の西口まで歩く。駐車場の脇を通り、サイクリングセンターのゲートに着くと、開園前にもかかわらず、すごい人だかり、その日は入園無料だった。たいてい、レンタサイクルで園内を廻るのだが、今回は徒歩で移動することに。かつて設計に携わった動物の森へ直行する。広大な芝生の中を歩くのは快適だ。子供連れの三十代ぐらいのファミリーが圧倒的に多い。動物の森入口にあるカンガルーエリアの近くに、カツラの林がある。カツラは本来、深山の渓流沿いなどに自生する落葉樹だが、分厚いクロマツ林のおかげで、冬の季節風や潮風の影響を受けにくいのだろう、活着してよく育ち、黄色く色づいている。ついでだが、クロマツは分布する位置により樹形が異なる。玄海灘に面する臨海部の最前線では、いつも強風に煽られ、陸側にかしいでいるが、ホテル海の中道周辺などの博多湾に面する場所では、幹はまっすぐ上へ伸び穏やかな姿をしている。動物の森には、カンガルーのほかカピバラ、マーラ、リスザル、フサオマキザル、ラマ、ポニー、ウサギなどが飼われている。柵越しに眺めるのでなく、柵のない空間で観察できるよう工夫を凝らしていて、好評らしい。飼育スタッフに話を聞くと、動物たちの餌になる果樹や草も、あるていど園内で育てているらしく、ラマやポニーを放す丘にも菜の花などの草が、残されていた。ペレットなどの人工飼料にくらべ、動物たちはじつに旨そうに食べるらしい。エリアを出て、海の見えるシオヤ岬まで歩く。あいにくレストランは閉まっていたが、結婚式のパーテイ―会場として使うのか、中で打合せが行われているようだった。海浜への立入りは禁止されていて、おかげで美しい風景が保たれている。腹がへるとさすがに疲れるもので、園内を周回するバスを待った。本場とは異なる佐世保バーガーを食べて、午後、フラワーミュージアムを探索する。いわゆるイングリッシュガーデンのスタイルで創られていて、女性達で賑わっている。一巡したが、配植密度、維持管理の面で問題があるように思えた。この手の庭は、どうしてもオープン時に照準を合わせて創られることが多いようで、あれもこれもと、盛だくさんになる。数年経つと、それぞれの植物が生長して過密化し、ブッシュ状態になりがちである。感覚的ではあるが、初期植栽は半分はどにして維持管理に金をかけてほしいと思う。庭は生長を予測した配植、除草や間引き、剪定、補植などで、ずっと美しくなるものである。フラワーミュージアムを離れると、丘の斜面にコスモスがびっしりと植えられ、風にゆれていた。一般的なコスモスはもとはオオハルシャギクと言い、白、桃、赤〈ピンク〉の花を咲かせる。原産地はメキシコの高原地帯で、18世紀末、スペイン、マドリードの植物園に送られ、コスモスの呼称がついた。日本には明治20年ころに渡来。コスモスには、普通メルヘンチックな印象がついてまわるが、新しい品種であるチョコレートコスモスやレッドベルサイユなどを白花に加え、桃色を除外すると、また違った表現が可能と思う。風にゆれるコスモスだけでなく、なぎ倒されたコスモスやエノコログサに混じって咲くコスモスなども風情がある。








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