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B級的自然住宅のススメ 第9回

 大体どんなことでも「これくらいにしよう」という目標値が定められる。CO2排出削減についても「1990年の94%にする」という目標値は確かにあるのだが、各家庭にこの目標値を示してもほとんど意味はない。だって、誰も1990年の自分の家庭のCO2排出量なんてわかっていないもの。しかも、こういう目標の立て方には不公平感がある。たくさんエネルギーを使っている人も、そうでない人も一律に94%にしようというのはおかしい。たくさんエネルギーを使っている人はたくさん減らして、少ししか使っていない人は少し減らせばいいというのがタダシイ。
 だから、まずは自分の家庭が全国平均と比べてどれくらいのCO2排出量なのかを知るところからスタートするべきだ。これは本当に自然な発想だろう。そして確かにこの数値は出ている。2000年で「約6000kgCO2/世帯」ということだ。
 ただこれは自動車の利用分(約30%)なども入っていて、家の中で消費するエネルギーだけで見ると6000kgの約60%の3600kgくらいになる。じゃあ、これと比較すればいいかというとそうではない。まず大きな要因として家族数がある。最終的には世帯当たりではなく一人当たりのCO2排出量を削減していかなければならないから、家族数という要因を考えた平均値を出さないといけない。でもこれがほとんど公表されていない、というかきっときちんと調べられていない。まだ重要な要因がある。それは地域性だ。寒い地域ではどうしても暖房に使用するエネルギーが増え、その結果CO2排出量も増える。これを一律に考えようというのは寒い地域の人たちにとっては酷な話だ。他にも細かい要因はあるが、この「家族数」と「地域性」の2つを考慮したCO2排出量の平均値を出さないといけないと思う。この数値があってはじめて「我が家のCO2排出量は多いとか少ないとか」がわかるはずだ。でも相当にがんばって探してもこうした数値は見当たらない。

 私が我が家のCO2排出量を調べ始めたとき、こういう発想は当たり前だと思ったから、どこかにこうした数値は発表されていると思い込んでいた。だから我が家の数値が出て「さあウチはどんなものかなあ。ちょっと怖いなあ。平均に比べてたくさんCO2を排出していたらイヤだなあ」と、いざこうした平均値を探しはじめたのだが、そこからが本当に大変だった。もうめちゃくちゃ時間がかかった。
 で、結局野池オリジナル版の目標値は以下のようになった。
家族数(人) 2 3 4 5
目標値(kg) 2200 2700 3000 3250
 ちなみにこの目標値は「家の中で消費するエネルギーによって排出されるCO2」であり、「北関東以南、中九州以北」に限定される。この数値がクリアされれば、少なくともこの地域において「家の中で消費するエネルギーによって排出されるCO2」は1990年の94%以下に確実になると思う。

 ところで、「こんなのを調べるのがなぜB級的なんだ?もっと軽いノリでやるのがB級なんじゃないの?」という突っ込みが入るかもしれない。確かにマニアックな世界だと感じる方もいるだろう。
 でも違うんだなあ。
 B級的というのは「本質を直感的もしくは根拠をもってタダシク理解し、そのへんはビシっと押さえながら、細かいことは軽いノリで選んでいく」ということ。シックハウス対策なら「内装材はシンプルな自然素材にする」という選択をするということで、細かい化学物質の毒性なんかを追いかけていくのはB級的とは呼ばない。
 だからCO2排出に関しては、とりあえず一度は我が家の状況を調べてみるという姿勢になるわけ。いっぺんやっておけばなんとなく感覚がつかめるから、あとはそんなに細かいことを考える必要はない。我が家に関しても、もし前述のような目標値がどこかで発表されていたら、30分くらいで「なるほどこんな感じね」というのがわかったはずなのだ。それがないからマニアックな世界に突入してしまい、めちゃくちゃ時間がかかってしまったんだけど。

 さて、実際の我が家のCO2排出量は約1900kgであり、家族数は3人なので合格ということになった。それがわかって、さてどんな家にしようとするかは次回に。
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