FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小出裕章さんに聞く:日印原子力協定の道義的問題とは

★<小出裕章さんに聞く>日印原子力協定の道義的問題とは
***「アジアプレス・ネットワーク 12月9日(水)15時55分配信」記事より転載

原発輸出に前のめりになっている日本政府。ベトナムをはじめ数か国に輸出をしようとしているが、その中でもNPT(核兵器不拡散条約)に加盟しておらず、プルトニウムを取り出す再処理技術を持っているインドへの輸出には、慎重さが求められるべきだ。この問題について、元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム)

◆核保有国インドに原発を売る意味

ラジオフォーラム(以下R): インドとの原子力協定とは、どのようなものなのでしょうか。

小出:世界は今つながっているというか、多数の国の間で貿易等が行われています。原子力関連の機材を輸入したり輸出したりする、あるいは技術協力をするというような時には、「原子力協定」というのをはじめに結ぶことになっています。日本は現在14か国と原子力協定を結んでいて、原子力の機材を輸出したり、あるいは技術的な協力をしたり、あるいは受けたりというようなことをやっているわけです。

インドとの原子力協定締結は、日本が原発を輸出することが何よりの目的となっています。しかし、そこには大変複雑な問題があります。インドは1974年に核兵器を造って、実際にそれを爆発させたことがあったからです。

インドは、カナダから原子炉を輸入して、そこで作られた原爆材料のプルトニウムを取り出して(再処理)、実際に原爆を造り上げたわけです。当時の米国のカーター大統領がそれを見て、平和利用として原子炉などを渡してしまうと、原爆を造る技術力が世界中に行き渡ってしまう。これは大変な危機だと気付きました。そして原子炉で生み出されたプルトニウムを取り出す技術が「再処理」と呼ばれる技術ですが、米国は自国ではもう商業用の再処理をやらないということを決めたわけです。少なくともインドに関しては、もう原子力の協力は一切しないということで、原子力協定を破棄したのです。

R:それほど核拡散を恐れたわけですね。

小出:それほど大切なことだったわけです。年が経ちまして、父親の方ではなく息子のブッシュ大統領の時代、米国の原子力産業はすでに崩壊に瀕していました。もう米国国内では原子力発電所を造ることができないということで、何とか海外に原子力発電所を輸出しなければいけない。そうなると、インドというのは最大の顧客になるのだから、インドとの原子力協定を再度結ぼう。もう核兵器の拡散のことよりも金儲けの方が大切だということで、インドだけを例外的に優遇して、また原子力協定を結び、米国の原子力発電所を輸出するという道を敷いたのです。

日本は、米国の属国だと私はずっと言っていますけれども、米国の意に沿って日本もそのインドとの原子力協定を結んで、原子力発電所を輸出していくという方向に今、向かっているわけです。でも、それは、カナダの原子炉輸出でインドが原爆を作るに至った時代に再度戻ってしまうということになってしまいます。本当にそれをやっていいのかどうかということに関しては、きちんと考えなければいけないことだと思います。

◆核拡散に積極的な日本

R:商売繁盛のためにはなりふりを構わない原子力ムラの姿勢がよくわかるのですが、では、日本はなぜインドに対して再処理を認める方針なのでしょうか。

小出:インドは、カナダから輸入した原子炉を動かしてプルトニウムを作り、それを取り出すための独自の再処理技術をつくって、実際にプルトニウムを取り出したのです。ですから日本が認めるとか認めないとか言う前に、インド自身は再処理という力を持っているのです。つまり、インドと原子力協定を結ぼうとする限りは、もうインドが再処理技術を持っているということは前提にするしかなく、原子力発電所を輸出してしまえば、核兵器を造れてしまうということが初めから分ってしまっているということです。

ですから、もし核不拡散ということを重視するのであれば、再処理能力を持っている国に原子力発電所を売ること自体が、とんでもないことになってしまうわけです。けれども、インドという国はいい国だから特別に認めると。かつて核兵器を造って爆発させたこともあるけれども、もう今はいい国なのだからというようなことで、米国はインドと原子力協定を結んだわけです。日本もその尻馬に乗って、インドは再処理技術を持っているけれども、インドだけは原子力発電所を輸出してもいいということにしてしまっているわけです。

R:これでは、日本が掲げている原子力の平和利用という原則が破られてしまうことになりませんか。

小出:もちろん破られるわけです。インド自身は核不拡散条約(NPT)にも加盟していません。そういうところに原子力発電所を売りつけるわけですから、核拡散を認めてしまうということは、初めからわかっています。

ですから、何か日本は原子力平和利用とか、自分自身は核兵器を持たず造らず持ち込ませずというようなことを言っているわけですけれども、実際には積極的に核の拡散に加担していくということになるわけです。

ただし、私自身は、インドという国が核兵器を造った、あるいは、これから造ろうとしていることよりも、もっと大きな問題が存在していると思います。

もちろん核兵器なんて持つことは本来的に悪いことだし、そんなことは私はやってほしくありません。けれども、いわゆる国連常任理事国の米・露・英・仏・中の5か国だけが核兵器を持ってよくて、他の国は絶対に持ってはいけないという核不拡散条約そのもの自体が圧倒的な不平等条約だと私は思っています。インドは持ってはいけない、あるいはその他の国も持ってはいけないという、そういうまず不平等な状態を解消に向けて動くということの方が大切なことだと思います。

R:今、安倍総理をはじめとする日本政府は、インドだけでなくトルコですとかベトナムにも原発輸出に積極的になっていますけれども、核軍縮に対する考え方というのはあまりないのでしょうか。

小出:安倍さんには、根本的な政治理念がありません。あるとすれば、ひたすら米国の属国として、米国のご機嫌をうかがって、自分も経済的に発展していく、あるいは儲けをすればいいという、そのぐらいの気持ちしかありません。米国がインドに原子力発電所を売りつけるということを決めたのであれば、日本も原子力協定を結んで、米国と一緒になってインドに原発を輸出すると。そのことしか、もう彼の頭にはないのです。それが彼の言う「経済最優先」ということです。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

としとんどん

Author:としとんどん
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。