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夜間大学の現在(いま)

★遅番感覚で大学へ?関西圏私大唯一の夜間学部生の思い
***「THE PAGE(大阪) 2015.12.26 17:34 配信記事」より転載

 イルミネーションが輝く夜のキャンパス。華やぎを楽しみながらも、学生たちが教室に急ぐ。大阪市東淀川区にある大阪経済大学の経営学部第2部は、関西圏の私大で唯一残る夜間学部だ。他大学の夜間学部撤退が相次ぐ中、来年度から入学定員を増員し、新たな時代の要請に応えようとしている。夜間教育で何が起きているのか。学びの場を訪ねた。

@大阪市内で唯一の夜間学部

 2015年度までの経営学部第2部の入学定員は1学年90名。学生たちは選択科目に応じて、東淀川区の大隅キャンパスと中央区の北浜キャンパスで学んでいる。どちらも地下鉄などの交通アクセスに恵まれ、仕事を終えてからも通学しやすい。

 文部科学省の学校基本調査によると、全国の国公私立大学の夜間学部に通う学生は1996年度で、12万4617人だった。その後、少子化や勤労学生の減少などを理由に、夜間学部が相次いで廃止されていく。夜間教育の場がなくなることで、夜間学部で学ぶ学生も減少。2015年度は2万1485人と、19年間で約17%まで減少した。

 現在、夜間学部の学生募集を実施している大学(フレックス制を除く)は、全国で14大学。関西圏に限定すると、大経大、大阪教育大学、神戸市立外国語大学の3大学だけ。大経大経営学部第2部は関西圏の私立大学で唯一の夜間学部となっている。

@来年度入学定員を90人から110人へ増員

 経営学部第2部の入学定員90人に対し、11年度から5年間の志願者数は、318人、243人、336人、360人、451人。全学的に志願者数が落ち込んだ12年度を除くと、増加傾向にあり、15年度の競争率は5倍に達した。

 こうした手応えを踏まえ、大経大では夜間教育の再検証を実施。経営学部学部長補佐を務める四條北斗講師は「奨学金やアルバイトの給料を学費に当てながら、経済的に自立して学びたいという若者が多い。社会人学生の学び直しのニーズも高い」と指摘。「働きながら学べる夜間教育の機会を拡充することは、教育機関としての社会的使命であると判断し、入学定員の増員を決定しました」と話す。

 来年度から経営学部第2部の定員を90人から110人に増員。併せて「経営コース」「ビジネス法」コースに加えて、「サービス・マネジメントコース」を新設する。

 さらにクォーター(4学期)制を導入し、学びたい科目を集中的に受講できるなど、仕事と両立しやすい教育環境の醸成を図る。働く学生たちが互いの職場体験などを共有し合う社会人学生ゼミも、実践的で関心を集めそうだ。

 学費に関しては、15年度の初年度学費等納付金で、経営学部第1部の117万円3000円に対し、同第2部は61万3000円と、約52%に抑えられている。

@学び直してふるさとで教師になりたい

 午後7時40分から始まる四條講師の講義を受講する学生たちに聞いた。金子達哉さんは25歳の1年生。岩手県の高校を卒業後、就職のため上京。大学で学びたいとの思いがあったものの、仕事に追われ、踏ん切りがつかない。

 4年半働いてふるさとの普代村へ戻る。東日本大震災の被災の中から立ち上がろうとする人たちとふれあい、大学進学を目指す気持ちに筋が通った。

 「教員になり、ふるさとの子どもたちに教えたい。教員になる決意を固めた後、インターネットで検索して、働きながら学べる大経大経営学部第2部を知り、迷わず受験しました」(金子さん)
コンビニでアルバイトをしながら大学に通う生活にも慣れた。通常の講義に加え、教職課程も受講して教員をめざす。

 「必修科目が設定されていないので、進路希望に応じて自由にカリキュラムを組めるので助かります。年下の同級生ともうまくやっています」(金子さん)

 岩手、東京から岩手を経由して、大阪へ。日本列島を縦断しながら目標へ突き進む。

@国公立大断念も学費の安い夜間学部へ

 兵庫県出身の池田利満さんは24歳の4年生。高校卒業時、両親との取り決めで、学費の安い国公立大学に限定して受験。現役時代から2年連続してトライしたものの、わずかに届かず。しかし、池田さんの学習意欲は衰えない。

 「1年間アルバイトをして入学金と受験料を貯金し、安い学費で学べる大経大経営学部第2部に入学しました」(池田さん)

 飲食店チェーンなどで働きながら4年間通学し、まもなく卒業する。後輩たちに「経営学部第2部は学費が安く、講義も充実しているので推薦します。いろんな業界のことが学べる社会人学生ゼミには、ぜひ入った方がいいですね」と助言する。

 ふたりとも明確な信念を抱いて仕事と大学を両立させながらも、余分な力みを抜いて自然体を保つ。自分なりの暮らしの中で、どんな学びのスタイルが可能か。しっかり考えて選び取った道だからだろう。

@夜間教育の新たな可能性を切り開く

 社会全体で1日の活動時間が延びた今、昼間の通学に、必ずしもこだわらなくていい。アルバイトを通じて、早番勤務と遅番勤務を体験する若者文化も定着した。生活環境と学習目標のバランスを取りながら、夜間の大学に通うという選択肢があることを、現在の2部学生たちは証明しているようだ。

 必要に応じてアルバイトの遅番勤務を選ぶ感覚で、夜間教育を活用してもいいのでもないか。学生たちの意欲に応え、夜間教育の新しい可能性を広げるためにも、「夜学」や「苦学生」に代わる表現方法を見つけ出したい。詳しくは大阪経済大学の公式サイトで。

(文責・岡村雅之)
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