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貧困は本当に連鎖する

★「40才のおじいちゃんおばあちゃん」が子どもの貧困を生む:*田中俊英
***「ヤフーニュース 2016年1月8日 13時44分配信」記事より転載

■本当に貧困は連鎖する

貧困は本当に連鎖する。

具体的には、10代妊娠と出産はアンダークラスには当たり前のようにある。ミドルクラス以上で生活している国民の6割程度の方には実感がないかもしれないが、アンダークラスあるいはそうした層が中心を占める高校周辺では当たり前のようにある現象だ。

そのことを倫理的に責めてもまったく意味がない。教師やソーシャルワーカーができることは、いかに安心して安全な環境の中で妊婦生活を送り、いかに安全に出産し、その後いかに母子が守られていく環境を設定できるか、ということだ。

そうした事例を何件も聞いてきて僕が思うのは、「そうして10代出産せざるをえなくなったハイティーンの、その親たちは何を思いどう動いているのか」ということだ。

社会は、10代出産という目立つ事態をまずは問う。人によっては問い詰める。教師も当然問い詰める(あるいは放置する)。

僕がいいなあと思うのは、10代妊娠の倫理性は問わず、安全な出産のフォローに徹したアドバイスをしていただける先生なのだが、そうした先生は残念ながら少数派で、多くは保守派の先生だから、10代妊婦は問われてしまう。

また、役所の職員やNPO支援者の多くもミドルクラス以上の出身の人たちで、倫理的に責め立てることはないにしても、「無意識的表情」として10代出産に疑問を投げかける。

■ひきこもりが目立ってしまう

このような10代出産は派手な現象なのでその当事者がクローズアップされ、またその背景なども考慮されるもののどうしてもその若き母親予備軍が「主役」として描かれるため、10代出産という短期スパンのなかでこの現象は捉えられてしまう。

そうすると、10代出産は、そのまったくの当事者である若き母親予備軍の問題に焦点化される。

同時に、それを生み出した具体的問題、つまりは40才前後の「若きおじいちゃんやおばあちゃん」予備軍が背景化されていく。

僕はこの頃、階層社会が固定されて問題になるのは、「親の発信力」の格差だと思い始めてきた。ミドルクラスとアンダークラスでは、親のもつ「ことばの数」が違う。

たとえばミドルクラスの典型問題である「ひきこもり」と、アンダークラスの典型問題である10代出産と貧困の連鎖を比べてみると、「ことばが多い(発信力のある)」ミドルクラス親がやはり目立つ。

上のような10代出産問題の当事者の1人かもしれない、「若きおじいちゃんやおばあちゃん」は 言葉豊富なミドルクラス親と比べて残念ながら発信力があまりないため、またこの問題の勉強会等への参加率も低いため、問題の深刻さのわりにはその深刻さが潜在化していき、ひきこもりに負けてしまう。

社会が中流社会であるうちは誰も異を唱えなかったが、国民の4割がアンダークラスになったいま、そうもいかなくなっている。

■40才前後の若い祖父祖母たち

が、相対的貧困者が2,000万人いるいま、当然10代出産も激増しているはずでその事実は現場支援者しか把握していないいま(これまた問題なのだが現場支援者は発信しない)、問題を「若き母親予備軍ハイティーンの個人的ヒストリー」の問題にしてはいけない。

問題は、そうしたハイティーン出産を準備してしまった周囲の環境、具体的にはその親(40才前後)と親周辺の人間関係と、その親達をとりまく経済環境と、その経済環境を準備してしまった国のあり方にいきつくはずだ。

僕が警戒しているのは、10代出産のような目立つ話題にはその出産する当事者に世間は飛びつき、その背景を捨象すること。

最大の問題は現代のグローバリゼーションを生み出した歴史そのものではあるが、それを言ってしまっても仕方がない。だから、これまた「個人」の問題にならないよう注意深く言葉を選んで言うと、やはりそこには「親」の問題がある。

親と言っても、貧困問題の場合、それはかなり若い。

親が子と同じように10代で出産していたとすると、まだ40才にも到達していない。

いま「ニート」の定義は39才までなしくずしにずらされてしまったため(大阪府)、日本の若者の定義は40才頃までになってしまったが、ここでいう10代出産の親のそのまた親たちのおじいちゃんおばあちゃんたち(ややこしくてすみません)もそうした「若者」と変わりない。

それら「若きおじいちゃんおばあちゃんたち」がたくさんの問題を抱えながら潜在化、見えない存在になっている。

つまり、階層社会の最大の問題は、「40才前後の若い祖父祖母たちが社会的に見えないこと」のように僕には思われる。

10代出産はその意味で、「子が10代出産に至ってしまった環境を用意せざるをえなかった40才前後の親問題」を焦点化する絶好のイシューだ。

*田中俊英:子ども若者支援NPO法人代表(02〜12年)のあと、2013年より一般社団法人officeドーナツトーク代表。子ども若者問題(不登校・ニート・ひきこもり・貧困問題等)の支援と、NPOや行政への中間支援を行なう。03年、大阪大学大学院「臨床哲学」を修了。主な著書に、『ひきこもりから家族を考える』(岩波ブックレット)ほか。京都精華大学非常勤講師「こころと思想」。13年、内閣府「困難を有する子ども・若者及び家族への支援に対する支援の在り方に関する調査研究企画分析会議」委員 、14年はユースアドバイザー講師(内閣府、広島ほか)。
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