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B級的自然住宅のススメ 第14回

 ある工務店から勉強会の講師の依頼があり先日行ってきた。勉強会といっても一般のお客さんは1組のご夫婦だけ。あとは大工さんとかの職人さんだった。
 こういう勉強会は逆におもしろい。そのご夫婦とのやりとりをしながら進めていけるから。で、そのご夫婦は私の「自然住宅のタダシイつくり方」を読んでくれていたから、ますますスムースに話をすることができた。いまちょうどこの本の改訂作業をしていて、あらためて読み返しているけど、やっぱりなかなかいい本だと我ながら思う。とくに「箱詰め理論」「優先順位の整理」がポイント。このご夫婦もこのイメージがしっかりできていて、「家に何を求めますか?」という質問をしたらスラスラ出てきたし、それを予算の中で納めるためにはどうしたらいいか、というところに発想が集中していた。どう転んでもこういう人は成功する。

 さて前回までの続きに移ろう。今回のテーマは「つくる家」。
 前回「大手ハウスメーカーは選ばない」と言い、その理由を簡単に述べたけど、もう少し詳しく述べれば「楽しそうに家をつくっている人たちの姿を眺めていたい」ということがある。自分ではものづくりをしていないから、ものづくりをしている人たちには何かしらのあこがれがあるし、その人たちが作業しているのを見るのはとても楽しい。話はちょっと違うかもしれないけど、設計者が設計しているときに横でその作業を眺めていたいとも思う。そういう“感じ”が大手ハウスメーカーの家づくりにはないような気がするわけ。この夏に自邸の玄関回りをリフォームしたときにも、工務店の人や建具屋さんが楽しそうに作業をしていて、段々といろいろなものが形になっていくのを見るのは本当におもしろかった。これは私だけの感覚なのかもしれないけど、こういう場面では腰とお尻の間あたりが暖かくなってきて、それが上のほうに沸きあがってくるという独特の「肉体的感動感」がある。この感覚は教師をしていたときに「解けなかった問題が解けるようになってくる生徒」を眺めているときにもあった。みなさんにはこういうのないですか?
 ここで前回述べた「つくり手との間合い」の話が出てくる。私は「一緒につくる」という“感じ”を好まない。もちろん打ち合わせはきちんとやって、こちらの希望を出し、案は出してもらう。それに納得すればあとは任せてプロの作業を眺めていたい。たぶん「一緒につくる」という感じで進めていったり、要求を出し続けていたりすると、先に言った「感動感」が味わえないような気がする。ほとんどのモノが「完成品を買う」時代だから、家づくりくらいはそういう楽しみを味わいたい。

 「山を見に行くツアー」には参加しないと思う。つくり手から「この産地で育った木を使います」と伝えてもらうだけで十分だと思う。「来週山歩きでもするか」と家族でなって、その産地付近が楽しそうなら家族で行くかもしれないけど、「自分の家に使う木の様子」には興味がない。家づくりとは別の純粋な興味として「林業家とか山の作業をしている人ってどんな人たちなんだろう?」というのはあるかもしれない。でもあえてツアーに参加するまでの原動力にはならないように思う。

 もうひとつ「つくる家」に関する話。
 いま構造材を加工するパターンには2つあって、ひとつはいわゆる「プレカット」。もうひとつは大工さんの「手刻み」。プレカットは工場の機械で加工することを指す。この2つのパターンがあると知ったとき、私はどちらを選択するだろうか?
 正直に言って悩むと思う。なぜなら、プレカットの合理性と手刻みの感動感のどちらにも共感するところが自分の中にあるから。うーん、どうだろうな。自分が選ぶつくり手は「合理主義」と「つくる家主義」がうまいバランスで存在するところだと思うから、そういうつくり手が薦めるほうの選択になる、というのが現実的か。
 さて、こういう私の「間合い」を理解してもらえるだろうか?
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