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貧困に直結する「住宅クライシス」をどう防ぐか

★貧困に直結する「住宅クライシス」をどう防ぐか
2017年3月15日毎日新聞経済プレミア :  藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

貧困クライシス・インタビュー
 「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版、972円)を執筆した藤田孝典さんへのインタビューで、藤田さんが提唱する「社会住宅構想」について聞きました。ハウジングリスクを減らす住宅政策への転換を訴えます。【経済プレミア編集部・戸嶋誠司】

*欧州で定着する「社会住宅」
 
--藤田さんはかねてベーシックニーズ、つまり生活に必要な素材の脱商品化を提唱してきました。中でも住宅分野は必要性が高いと訴えています。その考え方と方法を教えてください。
 藤田 住宅分野への投入資金を増やして住宅費(家賃)全体を下げ、不安定居住による貧困を回避したり、貧困ビジネス介入を防いだりする考え方です。不安定居住の問題は貧困に直結し、また困窮からの脱出を難しくします。日本では賃貸も分譲も含め、住宅は経済商品という考え方が根強いですが、その意識を変え、住宅を社会ストックとして整備しよう、という提案です。
 具体的には、住宅費の安い特区を作り、家賃負担を軽くしたい人に集まってもらう、あるいは、空き家を政策的に活用する、家賃への公的補助を増やすなどの方法が考えられます。

 --公営住宅を増やすということですか?
 
◆欧州で長く定着している「社会住宅」(建設や管理に公的助成がある住宅)の考え方です。国や自治体建設による公営住宅があり、また民間企業や団体が公的助成を得て運営する住宅もあります。欧州では社会賃貸住宅が住宅全体の2割程度を占め、家賃補助受給世帯は2割、というデータもあります。

 全体的に所得が減り、デフレトレンドが終わらず、人口減少が避けられないのに、日本の住宅政策はいまだ「持ち家重視」です。住宅ローン減税のような持ち家促進施策はあっても、公的住宅整備率は6%足らずです。そこで、住宅を社会資本として整備することで、ハウジングリスク(住まいを失うリスク)と困窮に陥る可能性を減らすのが狙いです。
 雇用の不安定化と所得低下は、住宅確保の大きな障害です。同時に住居が不安定だと就業や健康に影響します。中間層や低所得層向けの住宅政策充実は、経済成長や人口問題などさまざまな分野によい影響を与えるでしょう。
住宅「脱商品化」の政策転換を
 
--確かに、高い家賃負担にあえいだり、高齢者が賃貸住宅を借りにくい状況があり、不安は増すばかり。一方で、全国で空き家空き室が増えています。全体的になんだかちぐはぐです。
 
◆現在の住宅政策は、ほぼ市場任せです。ここに国、行政が介入するべきだと思っています。住宅の価格、家賃が高いまま、社会経済情勢の大変動で中間層以下の人たちに住宅不安が生まれています。不安は消費を抑え、家族形成に影響します。家賃やローン負担を減らすための住宅政策転換は時代の要請ではないでしょうか。
 ただし、国や自治体が直接住宅を建てて、ではなく、民間の力を活用しながら、市場を通じて住宅政策に手を入れる方法が望ましいと思います。民間マンションを借り上げ、一部家賃補助の仕組みを取り入れて貸している東京都住宅公社のような例もあります。
 
--昔は公団住宅や公営住宅がたくさんありました。
 
◆1951年施行の公営住宅法に基づいて、戦後の住宅整備が進みました。しかし今、自治体は公営住宅の管理・募集戸数を減らしています。認定NPO法人ビッグイシュー基金が2013年に調査・発表した「住宅政策提案書」は、近年の状況を次のように指摘しました。
 「自治体が管理戸数、募集戸数を減らした結果、応募倍率は上昇し、供給対象は狭まり、高齢者、障害者、母子家庭など、福祉カテゴリーに合致する世帯をおもな対象とする傾向を強めた。たとえ低所得であっても稼働能力があると見なされると、公営住宅入居機会はほとんど与えられない」

 住宅確保は生活の基本です。憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とうたっています。住宅問題をただ市場に任せるだけではなく、国が積極的に関与することで、新しい価値を創造すべきでしょう。

*高負担と手厚い還元が必要
 
--財源が必要ですね。
 
◆そのためには思い切った増税と、税金の手厚い還元が必要です。この20年、税金や税率はじわじわと上がりましたが、上がった分が返ってくる実感を私たちは持てませんでした。負担感ばかり強まるので、増税への忌避感も強い。年金や医療をめぐって高齢者や障害者への風当たりも強まりました。今のままでは分断が広がるばかりです。
 
 私は増税と同時に、医療、介護、教育、保育、住宅のベーシックニーズ5分野への現物給付サービスを強化するべきだと提言しています。そうやって安心感が生まれると、例えば消費を伸ばしたり、結婚につながったりするでしょう。
 中間層がどんどん下に落ちている今の現状は、本のタイトル通り、まさに「貧困クライシス」です。クライシスを乗り越え、未来を作るための新しい発想を、どんどん打ち出していきたいですね。


 
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