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「収納」が大繁盛 №1

 古来から、日本の起居様式は「床」そのものを生活面として、寝たり、食べたり、仕事をしたり・・・と床と密着した生活を展開してきた。そのような起居の仕方を「ユカ座」といい。恩米流の「イス座」と区別されている。
 ユカ座の生活では、床は衛生的であることが求められ、家の中では履物を脱ぐ習慣が定着していった。同時に体と床が密着するところから、接触感や保温性に優れた材料が選ばれてきた。床はイス座におけるテーブルやイスやベッドなどと同等のものであった。作業する際には床は無限の作業台として利用でき、連続した作業を行うには非常に都合がよかった。その時の状況に応じて何でも広げられる自由は、一方で暮らし方にけじめを必要とした。出したら、しまう。広げたら、片付ける。きちんとしたけじめは室内に心地よい秩序を与える。しかし、部屋の片すみに寄せて文字どおり“片づけ”るだけで終わりというような生活態度も肯定された。これは楽であり便利でもある。ゆえにユカ座の生活様式はモノを床面から切り離して整理収納する習慣をつけにくくさせたともいえるだろう。
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 住まいは狭くてどうしようもないのに、小金持になった日本人は様々な生活道具を購入した。生活の光景は家電製品、ピアノ、家具などが驚くほどハンランし、人間はその隙間で暮らしている様子である。それを見た家事評論家は言った。「ものが散乱しているのは見苦しい。ものの出し放しはインテリアデザインの面からもみにくい」と・・・。生活を美しく楽しくするにはものを収納しなければならない。身ぎれいに生活するためには収納が重要であることはわかった。都会の土地代は高い。無駄な空間を遊ばせておくのはもったいない。そしたら小さな空間を見つけてスキマ利用の収納競争が始まった。狭いところを埋める安価なスキマ収納が買いちらかされ、その中に積めこまれた。しかし、それらは何の統一性もなく、バラバラで、また新たな見苦しい光景が出現することとなる。収納家具そのものがガラクタとなってインテリアはみにくくなってゆくのだった・・・。
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 部屋の壁に沿ってタンス類、戸棚類などを並べ、上部の空いた所に次々に物を乗せ、天井一杯まで物が乗っている光景を見たことがある。ゆったりと心安まる雰囲気は感じられず、怠惰な野暮ったい生活感が流れ出してくる。統一感がなく、色・形式・様式もバラバラで、高さ方向の寸法も平面的な寸法も違い、何をとっても不揃いである。不揃いの原因はそれらの家具が必要な時の状況に応じて、その時の気まぐれな感性によって買い足されていったからである。結婚の時は豪華な婚礼ダンス。子供ができれば可愛いベビーベッド。さらにあふれた物はバーゲンで買った安手のベコベコしたプリント合板の家具に仕舞われる。
私たちは、このようなゴタゴタしたものを仕舞う現代の納戸というべき「多目的クローゼット」というものを提案している。幅1間の細長い部屋で、一方の壁に婚礼ダンスセットや戸棚を置き、もう一方の壁に30㎝~45㎝幅のオープン棚を木工事で造りつけるものである。家事室なども兼用させると非常に便利です。
収納量を確保しながらインテリアデザインを整えるためには、建築全体を総合的な観点から判断することが大事である。細かな寄せ集めではなく、トータルに収納を考えてゆけば整った空間を手に入れることができるであろう。

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