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けんちくYAの自己弁護

★2009一杯で新築の仕事を止めた時に、ブログに書いた文章です。現場監督が定年を迎えたこともあり、そのように決断したのでした。「もりの家R」として「大規模リフォーム=リノベーション」を主体として新しく事業を立ち上げようとしていました。

*****(1)

2010から新築はやめました、と宣言したら色々な人から様々な言葉を頂いた。やめる理由は、後継者が居ない事と住宅品確法の十年保証を完遂するため、と言う事に尽きます。

後継者問題は悩ましいものがあり、右肩下がりの業界を生き抜いていくには相当の覚悟と知見とタフさが必要とされ、その様な人材が周りにはいませんでした。なによりも建築や住宅が好きで好きでたまらないという人しか、これからの時代は勤まりません。

いつまでも新築を続けていく事になると、僕が死んだ時(当社は個人事業者)十年保証は誰が担保するの?と言う事に成ります。確かに瑕疵保険があるので保険会社がするのですが、申請手続きが面倒で、素人のオーナーの手に負えないだろうと思われます。

一番最近の新築は2009で十年保証を完遂するのは2019となりますが、その時僕は65歳であります。だから、僕は65歳までは死ねないのです。(笑)

本当に有難い事に「それでもどうにか成らないか・・・」と仰るクライアントは数人いらっしゃいました。今のこういう難しい経済状況の中で、折角のオファーを断るというのは断腸の思いで、天に唾する事ではないかと悩みました。そして「いいよそれじゃ、どこかいい工務店・設計事務所を紹介して・・・」と畳み込まれますと、更に困ってしまいます。

大学時代の友人に同じような依頼を受けて、「ここだったらいいだろう」という所を紹介しました。遠隔地だったのでそのような次第になったのですが、紹介した工務店が「独りよがり」の家作りの所で、仲介に入った責任もあって、往復500kmの距離を何度もいったりきたりしなくてはいけない羽目に陥ったのでした。

そんなこんなで、断ってばかりで申し訳ありません。!!

*****(2)

「新築」というと金額が張るので、利潤が大きいと思われがちですが、そんな事はありません。最終的な純利益率が5%もあれば良い決算の方だと思います。利益率からいえば、リフォームやリノベーションなどR事業の方が良い結果が出やすいです。その代わり、当たり前ですが、売り上げは伸びません。

注文建築の「新築」はリスクが多く、クライアントと良くコミュニケイションを取る事が大切になってきます。その事が、リスクを低下させる事に繋がってゆくからです。しかし、フラット35などのローンが整備され借りやすくなるに従い、新築の客層が若年化しだしました。20代の後半で、結婚と同時に新築する若者も出てきました。

自然素材を使った家作りは、素材の良さも悪さも素直に出てくる場合が多く、素材の性格を知らないとクレームだらけの家作りになりがちです。紙や布はビニールクロスに比べると、メンテナンスがむずかしいかもしれないし、無垢板は複合フローリングに比べると、反ったり床鳴りがしやすかったりする。そんなものを補って余りある長所がたくさんあるのですが、体感的なことなので、心の底からの共感が1970生まれ以降の客層の共感がなかなか得にくいのです。団塊の世代周辺は、木造校舎などで生活体験があるので、好き嫌いについての実感的反応は得やすいのです。

だから、僕は、若年層対象の自然素材を使った注文建築の「新築」には、魅力を感じなくなってしまったのです。さらに住体験が極端に貧しく、注文をつけるからには注文者には素養が求められると思うのですが、知識はあっても文化的素養がない。例えば回転寿司でないすし屋にいくなら、ネタの名前がわからないと注文ができないのと同じです。

とにかく注文建築を建てたらいけない人が建てている、需要と供給のミスマッチです。

「カフェみたいな家がいい」とクライアントはいう。僕は、カフェと住宅とは水と油で性格が違うものなので、ソモソモソウイウモノハ・・・という説明から始めてしまうほどミスマッチなのです。要するに、僕はオールドタイマー、時代遅れ、と言う事です。(それでいい!!) ところがR事業の場合、生活の中で不満足の点や問題点がソリッドに出てきて、流動しない。すでに家という物体は眼前にあるので、チャラチャラした浮ついた議論になりにくい。こういうところがR事業の方がやりやすい。

新築を止めると言う宣言が「西村工務店が左前になっていくんじゃないか」と顧客の皆さんに心配を掛けているみたいなので縷々説明してみました。固定費を少なくし、ケイエイジン(僕と配偶者の事)の生活をつつましいものにして、R事業に特化した方が顧客の皆様との長いお付き合いが可能になるのです。
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