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九年目の自立循環型住宅

「自立循環型住宅」とは、与条件の下で極力自然エネルギーを活用し、居住性・利便性を向上させつつ居住時のCO2排出量を、2000年頃の標準的住宅と比較して半減させることが可能な住宅をいいます。その設計指針が2005年に発表されました。その温熱環境の研究の集大成が「パッシブソーラーハウス(以下PSHと略す)」というものに代表されると言ってよいでしょう。この言葉を耳にされたこと方もあると思いますが、「概念」を表すもので、「ある設備(たとえば、OMや太陽光発電器)を搭載した住宅」をさすものではありません。その頃、わが事務所が白蟻にやられて「建替」を検討していたのですが、「自立循環型住宅への設計ガイドライン」にしたがって車庫棟を「コンパージョン&リノベーション」しようと決めたのでした。

この建物は父が1995に「2*4+トラス+在来工法によるスケルトン」とも表現したいような無柱構法を、セルフビルド(父+僕+現場監督)したケース・スタデイ・ハウスで(当時仕事がなかった)、ある種のプロトタイプを想定し建築生産のプロダクト化を目指したものでした。父は熊大建築学科を卒業して、当時朝鮮戦争で景気のよかった佐世保の建築会社に勤務していました。「米軍の仕事が多かった」と言っていましたが、その頃綴ったノートを取り出して前記のスケルトンのアイデアをひねり出したのでした。ちょっと凝りまくってコストがかかり過ぎ、ローコストのプロトタイプは頓挫したのでした。2000年に父は亡くなりました。父の魂を継ぐべく「僕も、自分の独自性を前面に出して自立循環型住宅にトライしてみよう」と決意したのでした。

PSHのパッシブ・デザインを「特別な動力機器を用いず、自然の要素である太陽光・太陽熱・風・雨水・大地等の持つ性質を、建築的に利用・調節して室内気候の適切化を行なおうとするもの」と解釈して、事務所の再生は始まったのでした。南面の開口率は20%前後(1F;24%,2F;18%)採り、北面は立体通風を確保するため高窓を設けました。東面は階段室をバッファーゾーン(緩衝地帯)と位置ずけし、外壁に即して本棚を配置して、本棚の奥行き分を付加断熱としました。西面は無開口とし、断熱材の厚みを次世代基準以上としました。これで冬の備えはバッチリで、2FのLDに於いて2014-2/3~10:30AM現在で、陽が差してきて、外気温7度に対して室内は無暖房で19度ある。15:00頃は22度は確実に上回ります。(南面開口部のガラスはエアタイトペアガラス)

夏期の日射遮蔽対策として、2Fのバルコニーを120~150cm以上出しスノコ状の床を設え、即ち1Fに対しては庇とし、2Fではシャッターを掃き出しサッシの床面から30cmの位置まで下ろしてテントのオーニングを1M以上出すようにしています。通風を確保してそれでも熱帯の夜のように暑い時は、エアコンを使用します。暖房に比べて冷房エネルギーに対するCO2排出量は少ないので、我慢しないで使っています。その際、天井高の高い所にある暖気は換気扇で排除した上で、下降しがちな冷気の「振る舞い」を考慮してエアコンを使用しています。黒い寒冷紗や銀色の反射布を開口部を覆ったり(グリーンカーテンは世話が大変なのでパスしています)、まだまだ夏期対策は足りない所が多いので色々と工夫しなければなりません。

1Fは事務所に、2Fは住居として使っています。1F玄関入ってスグの応接コーナーに薪ストーブを据えて、直上に開閉式の吹き抜けを介して全館暖房用に使っています。エアコンであれ薪ストーブであれ冬場の過乾燥は避けられないものがあります。当然、薪ストーブには寸胴鍋をかけて湯気を立たせていますが、吹き抜けの上は「洗濯物干し場」になっていて室内に適度な湿度を与えてくれます。11月~翌3月で40%を下回ることは、殆どありません。薪ストーブの炎を見ていると情緒的に癒されるものがありますし、なにより化石燃料を使わなくていいことがエコの心を満たしてくれます。

「自然住宅」を目指して1996年から取り組んできた事業を総括的にまとめると、「温熱環境に考慮した自然素材住宅」という地点までは進化してきたという自負はあります。「もっとパッシブデザインの高みを目指すべきだ」とも思いますが、加齢に伴い情熱に欠けがちになるため、後進に道を譲ります。(加藤君・野池さん、、、アトハヨロシク!!)
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