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「つなぎ」としての資材性(2)

3.N邸に要求されるもの

1)Nさんは70歳なのでこれから加齢により弱っていくと思われる体のことを考慮して、一階部分を改造しバリアフリーにして一階のフロアだけで生活を完結したい。;バリアフリーを加味したプラン

2)とにかく、夏暑くて冬寒い。盆・正月に実家に帰ってきても、泊まっていく気が起きない。;温熱環境

3)雨漏りがした所が何箇所かあるので、木が腐朽していないか見て欲しい。;劣化度

4)玄海沖地震などが頻発しているので、この家で保つのか検討して欲しい。;耐震性

・・・・・・・・・・・・・

1)バリアフリーを加味したプラン

一階のフロアをNさんの生活空間にするのがバリアフリーの基本なのですが、N邸の周辺は建て込んでいて一階全体の日照・通風が確保できません。いくら老後対策といっても、居住環境が悪ければリノベーションする意味がありません。今までも生活の中心は二階で行なわれ、その生活様式を引き継ぐ形でのプランを考えてみました。

N邸は敷地一杯に建っていて、隣地境界線が外壁の外面一杯でクリア=0の部分があるので、これ以上の増築はできません。また、建替となると現行建築基準法が係ってくるので、1F/≒20坪・2F/≒20坪の計40坪の施工床面積が確保できません。既存施工床面積を検討して、都市計画上の容積率・建蔽率の遵守から始めました。。

日照・通風を考えて、「二階リビング」型プランを提案しました。既存の二階プランは1LDKとなっていて、真ん中にDKを置き独立した寝室と和室がそれをサンドイッチする形で、こまぎれに三部屋が並んでいました。

設備コアになるDKの位置はそのままにして、明るい東の表側に居間を取り畳敷きの茶の間風にしてDKとの連続性を意識してみました。居間の東壁には出窓をとり高窓とし、日照・通風を得やすくしています。

裏の旧和室は茶の間・寝室兼用だったようです。そこのタタミをとり杉板を張りベッドを置けるようにして、壁勝ちなので収納をたくさんとりNさん専用の寝室としました。真壁仕様はそのまま活かし、落ち着いた仕上がりになりました。

中心部のDKに天窓から足ざわりの良い杉板を張った床に光を落とし、大工職に杉集製材を使ってパントリー・テーブルなどを造作家具にしてもらいました。テーブルを中心に回遊性のある動線に沿って、什器・調理器具がきちんと整理できるようになり、コンパクトな調理作業ができるようになりました。

N家はどちらかといえば女系が多いので、パウダールームにトイレを併設して広く取り、サニタリー備品の収納がしやすいようにしました。

一階には、たっぷりの収納空間を持ったガレージ・(Nさん御主人愛用品)展示ギャラリー兼用の広い玄関ホール・ピアノコーナー・シューズストックに繋がる玄関・予備室・洗濯室兼用脱衣室・ユニットバス・トイレという諸室を有機的に配置しています。

バリアフリーと言うと、Nさんが身体的にハンデキャップのある人みたいに聞こえるが、そうではありません。70歳であっても元気なNさんには「バリアフリーの家」というより、自分で何でも出来る「セルフサポートの家」の方がふさわしいのです。「自助自立」できる家、といってもいいでしょう。

N邸は一階二階を上下しないと、生活は完結しません。リハビリに階段を使われることが多いのですが、滑り止めや手すりを適切に配置すれば階段はバリアではありません。階段の上り下りは適度な運動になり、アンチエイジング・トレーニングとなります。「病は気から、老いは足から」といわれる所以でもあります。

もしNさんが「要介護・要支援」になったとしても、心配ありません。予備室となっている部屋に休んで頂ければ、多目的流しと洗濯機が付いた脱衣室、バリアフリーのユニットバス、手すりつきトイレがサーキットプランで使いやすいように配置されています。このように、もしも「要介護・要支援」になった時は、一階で最小限の生活は完結できます。
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