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14.大濠公園周辺

 福岡市の都心に位置する公園の一つ、大濠公園は福岡に住むようになってから、何度となく訪れる緑のオアシスである。最近、仕事でその大濠公園の北西、地行にある現場へ自転車で通うことが多い。平和町から地行まで、はじめは小笹、笹丘、輝国、六本松、鳥飼、今川を経由する坂道と車の多いルートを走っていたが、そのうち、平坦で、緑が連続する快適な順路を見つけ、切り替えた。減量には負荷を与えるほうがいいことは判っているのだけれど、緑の効用のほうをつい選択してしまう。平尾山荘通り、浄水通り、南薬院、赤坂けやき通り、護国神社、そして大濠公園の中を走っていくルートは、じつに気持ちが良い。閑静な住宅地の庭木や瀟洒な店舗が並ぶ通りの街路樹を縫ってけやき通りに出ると、自分と同じように自転車に乗ったサラリーマンや高校生達が、道を急いでいる。活気のある朝の空気を吸いながら、護国神社辺りまで来ると、自転車を降りて少し歩いてみる。ここは昔から好きな都会の森で、分厚い照葉樹林で囲われた境内には、みごとな大楠が何本も立っている。桜の季節が過ぎると、楠の朱みを帯びた新芽がすこしずつ、まばゆい淡黄緑色へ変化する。コルク質の幹に身体ごと触れると暖かく、樟脳のにおいもどこか懐かしい。まがい物でない照葉(てりは)の樹々が外周を覆っている。横を歩いていると、ひんやりしたものが落ちてきて、顔にふれた。晴れているのに何なのだろう。目立たない椎や樫の花穂か、吸い上げる樹液の滴なのか、旺盛に葉を吹かせる季節の現象のようだ。美術館の褐色の壁と茶室・庭園の白い築地塀を見ながら公園に入ると、朝から池まわりのジョギングコースを走る人、犬の散歩をする人、ウォーキングに励んでいる人の姿が見える。部屋にいても、水泳のクロールスタイルで三十回ほど手を動かすとダイエット効果があると最近聞いたことがあったが、なんとこの運動をしながら歩いている人がいて、苦笑してしまう。現場での監理の仕事を終えると、夕刻また同じようなコースを通って帰る。作業の手伝いも請け負っていて、結構、体力を使った時は、公園で休むこともある。今の季節、南の池岸にハリエンジュが白い花を咲かせている。一週間ほど前だったか、そのあたりで休憩していると、外国人の家族が池岸に近寄ってきた。すると、最初に池をのぞきこんだ小学生くらいの男の子が、大きな声をあげて驚いた。九十cmほどの大きな緋鯉がよほど珍しかったようで、彼に続いて家族の皆も目を丸くして驚いている。鯉を鑑賞の対象とするのは、日本だけのものだろうか。池といえば、昔、中ノ島の小径を歩いていると、水鳥にパンのきれはしを与えている小母さんがいた。たくさんの水鳥が小母さんの近くに群がっていたが、さっきから遠くを見ていた小母さん、突然、「なっちゃーん」と叫んで、手を振りはじめた。誰か知り合いの親しい子でも見つけたのかと思っていると、池の向こうからガチョウの「なっちゃん」が、他の水鳥とはひとあじ違う歓声をあげながらやって来た。小母さんは、うれしそうな顔をして、別の袋を取り出し、豪勢な別メニューの餌を「なっちゃん」に振舞うのだった。公園敷地の東側には、ボタン・芍薬園があって、今ならまだ芍薬は鑑賞できるかも知れない。













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